安曇野市議会 > 2019-12-10 >
12月10日-04号

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  1. 安曇野市議会 2019-12-10
    12月10日-04号


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    令和 1年 12月 定例会          令和元年安曇野市議会12月定例会議事日程(第4号)                 令和元年12月10日(火曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する質問   宮下明博議員   小林陽子議員   松枝 功議員   林 孝彦議員   遠藤武文議員---------------------------------------出席議員(21名)   1番  小林陽子       2番  臼井泰彦   3番  遠藤武文       4番  林 孝彦   5番  坂内不二男      6番  井出勝正   8番  一志信一郎      9番  松枝 功  10番  増田望三郎     11番  中村今朝子  12番  竹内秀太郎     13番  平林 明  14番  藤原陽子      15番  猪狩久美子  16番  宮下明博      17番  平林德子  18番  小林純子      19番  内川集雄  20番  小松洋一郎     21番  小松芳樹  22番  召田義人欠席議員(なし)---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名  市長     宮澤宗弘     副市長    中山栄樹  教育長    橋渡勝也     総務部長   金井恒人  政策部長   上條芳敬     財政部長   百瀬秀樹  市民生活         宮澤万茂留    福祉部長   野本岳洋  部長  保健医療         髙橋正子     農林部長   高嶋雅俊  部長  商工観光            都市建設         鎌﨑孝善            西沢 剛  部長              部長  上下水道         久保田剛生    教育部長   西村康正  部長                  政策経営  総務課長   関 欣一            野口武史                  課長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長   望月利彦     次長     細田昌伸  次長補佐兼         青木規素  議事係長--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(召田義人) 御苦労さまでございます。12月10日火曜日、12月定例会一般質問を開きます。 ただいまの出席議員は21名で、定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第4号により進めてまいります。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △市政一般に対する質問 ○議長(召田義人) 日程第1 市政に対する質問を行います。 本日の発言通告者は、16番、宮下明博議員、1番、小林陽子議員、9番、松枝 功議員、4番、林 孝彦議員、3番、遠藤武文議員の以上5名でございます。 御報告申した順序により、発言を許します。--------------------------------------- △宮下明博 ○議長(召田義人) 最初に、16番、宮下明博議員。持ち時間は20分以内といたします。 宮下議員。     (16番 宮下明博 登壇) ◆16番(宮下明博) おはようございます。 16番、宮下明博でございます。 通告に従いまして一般質問を行います。 人口減少・少子高齢化社会にあって、安曇野市が持続可能であるには、税収の確保のための雇用創出と人口増加策が最大の課題と考えます。そうした施策の実現に当たっては、土地利用がその根幹をなすと私は考えます。 都市計画マスタープラン都市計画策定委員会で検討され、パブリックコメントを実施し、平成22年11月に策定をされ、土地利用に関する条例が23年4月に施行されました。そして、28年にまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、4つの基本目標を挙げ、人口減少対策に取り組んでまいりました。 このマスタープランは、都市計画法第18条の2に基づき、市の都市計画に関する基本的な方針を定めたもので、計画期間は平成32年度、令和2年度までの10年間で、社会情勢などを踏まえ、必要に応じて計画の見直しをするというものであります。 そこで、政策部長にお聞きをいたします。 総合戦略の進捗状況についてはホームページで公表されておりますので、基本目標1の「新たな雇用を生み出す」こと、及び目標2の「若者や女性が活躍できるまちをつくる」と、この2点について成果をお尋ねいたします。 また、都市建設部長に、都市計画マスタープラン及び土地利用条例の見直しに向けた進捗状況と現時点で公表できる課題についてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(召田義人) 上條政策部長。     (政策部長 上條芳敬 登壇) ◎政策部長(上條芳敬) おはようございます。 それでは、お答えをいたします。 まず、基本目標1「新たな雇用を生み出す」でありますが、基本的な方向は、付加価値の高い農業の実現や農産物の海外への販路拡大、ICT環境の整備による企業誘致、山岳観光の振興や信州安曇野ハーフマラソンを通じたリピーターの増加、インターチェンジ周辺の開発など、農業振興と商工業、観光の振興を目指した施策であります。 平成30年度の進捗状況といたしましては、数値目標及びKPIによる成果指標として、87.5%がおおむね順調以上の評価となりました。特に、農家民宿受け入れ生徒数海外輸出農産品新規起業者数建設業資格取得者数創業支援人材育成セミナー受講者数外国人宿泊者数につきましては、目標を上回る実績値であります。 また、基本目標1におけるアウトカム、数値目標でございますが、市内企業の就業者数において、目標1万850人に対して1万1,564人が就業されました。市内企業に対する各種助成事業を実施したほか、地域未来投資促進法を活用いたしまして、現在、あづみ野産業団地の拡張事業を進めております。 一方、新規就農者数につきましては、目標14人に対して5人と努力を要する数字となりました。農業次世代人材投資資金等の給付金事業や首都圏での就農相談、個々の就農計画の作成支援等を行っておりますが、求人倍率の上昇によりまして、他の産業への就労がふえ、結果として農業への関心が下がっていることが原因の一つとして考えられます。総体的には数値目標及びKPIから産業全般の指標に向上の傾向が見られます。 次に、基本目標2「若者や女性が活躍できるまちをつくる」でありますが、若い世代の男女の定住促進やUIJターンの増加、若者及び女性の起業支援や信州型自然保育の実施など、若い世代の移住・定住の促進を目指した施策であります。 平成30年度の進捗状況といたしましては、数値目標及びKPIによる成果指標として、76.9%がおおむね順調以上の評価となりました。特に、婚活イベントの参加者数、放課後児童クラブの登録者数、放課後学習室参加生徒数信州型自然保育を受ける児童数は目標を上回る実績値であります。 また、基本目標2におけるアウトカム、数値目標では、市から移住支援を受けた世帯のうち、小学生以下の子供がいる移住者世帯数は年間目標10世帯に対して7世帯、若者、女性の起業者数として、起業時の経費や家賃補助を実施しておりますが、累計目標5人に対して15人の実績がありました。総体的には、若者や女性への起業支援、婚活や移住支援に一定の成果があったものと評価をしておりますけれども、移住への取り組みにつきましては、単年度で成果があらわれるものではありませんので、継続的に確認をしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。     (都市建設部長 西沢 剛 登壇) ◎都市建設部長(西沢剛) それでは、都市計画マスタープラン及び土地利用条例の見直しに向けた進捗状況と課題についてお答えさせていただきます。 本市発足後初めて策定した安曇野市都市計画マスタープランは、平成20年3月に策定された総合計画の下位計画として平成22年11月に策定されました。平成18年10月~平成20年3月まで36回にわたって開催された土地利用市民検討会の議論、平成20年6月~平成22年8月まで33回にわたって開催された都市計画策定委員会の議論を重ね、市民懇談会では延べ149会場に2,519人の方々に出席をいただきました。 これらのプロセスを経て、安曇野市の適正な土地利用に関する条例、安曇野市景観条例とともに策定されたものでございます。平成23年を基準として、令和2年までの10年間を計画期間としましたので、新たに令和3年度からの計画期間に向けて改定作業を進めているところでございます。 次に、合併時の大きな課題であった土地利用制度は、これらの議論の中で検討が進められた後、平成23年4月から条例による土地利用の管理制度が始まりました。その後、条文に基づき5年後に見直しを行い、平成28年から一部改正する形で施行している状況でございます。なお、土地利用条例につきましては、地方分権推進の時代における先進的な事例として、国から高く評価されているところでございます。 お尋ねの進捗状況でございますが、当初、来年度を作業期間としておりましたが、地域未来投資促進法など、新たな制度に基づく土地利用が計画されておりますので、半年前倒しして、本年10月から作業に着手したところでございます。都市計画審議会の開催など、本格的な御意見を聴取する機会は来年度に予定しているところでございます。 次に、現時点で公表できる課題についてでございます。 本市の都市計画マスタープランの特徴として、土地利用条例との関係から概念的な計画となっており、構想図として目指すまちの形を明示する機能・役割があります。 課題としましては、本格的な人口減少社会を迎えた土地利用のあり方と、現在、計画が進む地域高規格道路松本糸魚川連絡道路のルート設定に伴う幹線道路の修正が大きな項目になるかと思われます。土地利用条例につきましては、5年前の見直しの時点と比較し、国内の人口減少社会の傾向は変わりなく、大きな開発圧力はありませんので、一部手続について簡素化し、承認までの期間短縮を図ること、時代の変化に新たな用途への対応といった、事務手続上で浮かび上がった課題の解消が課題と考えているところでございます。 以上であります。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 私は、就任以来、一貫して市の財政力を向上させるには、人口の増加と企業誘致だと申し上げてまいりました。 人口増加策には土地利用の大幅な見直しが必要だと私は考えておりますが、前回の見直し時にはほとんど見直しがされず、今回は大幅な見直しが必要だと思います。ここで議論をしておりますと、幾ら時間があっても足りませんので、委員会で検討しながら提案をしていきたいというふうに考えております。 企業誘致に当たっては、10月から検討に入ったということでありますけれども、都市計画マスタープランにおいて、工業系用地を明確に位置づける必要があると考えております。現行のマスタープランでは、既存の工業集積所を核に、その周辺へ工業用地の集約を図るとしてきましたが、合併前からの工場団地は満杯の状況にあり、今年度から具体化が始まり、地域未来投資促進法に関する事業が進められております。 先日のマスコミの報道によりますと、あづみ野工業団地の拡張計画では、4社が進出の意向を示しており、達成度は高いと言えるとされておりました。しかし、今回の事業は、都市計画マスタープランに掲げる既存の工業団地の拡張及び手を挙げた企業だけの事業用地ということになっております。 そこで、商工観光部長にお聞きをしますが、企業、工場を立地したいという問い合わせは、この5年間に何件ほどあったのでしょうか。また、その希望面積等、市内のどのあたりに希望が多かったのかお聞きをいたします。商工観光部長、お願いします。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。     (商工観光部長 鎌﨑孝善 登壇) ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) それでは、企業等の立地に関する問い合わせ状況についてお答えをさせていただきます。 平成26年度~平成30年度の5年間で延べ152件の問い合わせがありました。最も多かったのが平成30年度の40件、少なかったのが平成26年度の25件となっております。なお、この件数は複数年にわたって照会のあった案件や金融機関あるいは不動産業者から、同様と思われる照会があった案件につきましても、それぞれ件数に含めておりますので、御了承いただきたいと思います。 企業から照会がある敷地面積につきましては、1,000平米、約300坪から、大きいところは4万平米、約1万2,000坪とさまざまであります。そこで、集計をとるに当たりまして、1万平米未満、約3,000坪とそれ以上に分けて聞き取りを行っておりますが、1万平米未満との回答が96件、1万平米以上との回答が52件、不明4件となっております。 希望エリアにつきましては、あづみ野産業団地に分譲地が残っていた関係から、あづみ野産業団地に関する問い合わせが一番多く38件、市内既存空き工場に関する問い合わせが17件、安曇野インター梓川サービスエリア周辺が16件、その他81件については、エリア等については不明となっております。あづみ野産業団地も含め、長野自動車道の利便性をメリットに考える企業が多くなっているというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 今、少し聞き取れなかったんですが、154件の問い合わせということで間違いないわけですか、全体で。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。 ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) 5年間で152件の問い合わせでございます。
    ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) すみません。5年間で公への申し込みが152件あったそうでありますけれども、これ公式ではない、安曇野市に進出したい企業も結構あるというふうに感じております。 5カ町村が対等合併をし、それぞれのまちづくりを継続させた上で、一体感のある発展のために策定した都市計画マスタープランは、評価すべきものだと考えます。 そこで、将来に向け、持続可能な安曇野市を経営する観点から、新たな工業用地の立地を容易にできるよう、都市計画マスタープランに工業系用地を明確に位置づけることについて、市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。市長、よろしくお願いします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 宮下議員のほうから、都市計画マスタープランに工業用地を明確に位置づけることについての質問をいただきました。 私も以前からこの持続可能な安曇野市のためには、市にとっては、自主財源の確保が極めて大切なことでありますし、また、市民の皆様あるいはこれから安曇野市に移住・定住を希望される皆さん方にとっても、働く場所の確保というものは極めて大切であり、所得の向上が必要であると、前々から申し上げてきたところでございます。 このために、国では地域未来投資促進法、これに基づきまして、新産業用地の新設、いわゆる青地農地が多い我が市にとって、新設が困難であった企業を呼び込むことができるという大変大きな意義があるというように認識をいたしているところでございます。 都市計画マスタープランの位置づけは、安曇野市総合計画国土利用計画の下位に位置しておりまして、安曇野市工業振興ビジョンなどとの相互関係がございます。昨年度より10年の期間で進めております第2次安曇野市総合計画におきまして、基本施策の一つに、工業の振興、労働・雇用対策の促進を掲げさせていただきまして、工業の振興では、新産業団地整備の検討を主な取り組みとし、労働・雇用対策の推進では、就労機会の確保を図ることを掲げているところでございます。 安曇野市工業振興ビジョンにつきましては、現在、令和2年度~令和9年度までを計画期間とする第2期となる策定作業を進めておりますが、この中で、田園産業都市の実現に向けまして、本市の工業が今後とも継続的に発展をしていくためには、豊かな自然との調和を図りながら、基盤整備を進めることの必要性を引き続き柱として考えているところでございます。 いずれにいたしましても、工業系用地の新設・拡大設定に当たっては、県の都市計画、また農業部門との調整、都市計画審議会委員の皆様による意見及び市民アンケートや市民説明会などによる、市民の皆さん方の御意見を頂戴しながら、議会との協力を得て検討を進めていくべき課題であるというように捉えております。 一方では、松糸道路の建設に見られるように、農業用地、農地を潰すなという強い意見もございますので、やはり、慎重に取り扱っていき、田園産業都市構想を目指していきたいというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) お答えをいただきましたけれども、県の都市計画に準ずるとかありますけれども、こういった問題は、全てが私は市長のリーダーシップだというふうに考えております。市長がですね、立地を容易にできる新たな工業用地の見直しのマスタープランに、そういう見直しをするかどうか決意をお聞きをしたいわけですが、お願いします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 必要な部分については見直しをしていかなければ、企業のほうから要望があっても、それに応えられないという状況がございます。ただ、先ほども申し上げましたとおり、地権者の皆さん、地域の皆さん方の理解と協力がないと進んでまいりません。 宮下議員から、よくリーダーシップということは言われておりますけれども、もちろん最終的な判断は私がさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、やはり、民主的な手続を踏みながら、庁内でしっかり話をしたり、また地権者の皆さんや周辺の皆さんの理解と協力を得るべく努力をしていく必要があろうかというように思っております。これが民主的な市政運営ではないかというように、常々申し上げているところでございます。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) お答えをいただきました。それは当然のことでありまして、市長がリーダーシップをもって市民に説明し、国・県へ申請をしていくという形がとれなければ実現しないわけでありますので、今、市長の位置づけをしたいという気持ちをいただきました。安曇野市の将来に向け、決意をお聞きしたということでございます。 今後、マスタープランの見直しに向けた具体的作業に当たっては、工業用地の必要面積や候補となり得る場所の選定など課題は多いと思いますが、庁内連携を深め、作業を進めていただくようにお願いをいたしまして、次の質問に入ります。 続きまして、安曇野市のプールの将来であります。 安曇野市のプールは認定こども園を除いて、小・中17校と市民プール1カ所でありますが、市民プールは令和3年9月で廃止が決まっております。そこで、小・中学校プールの利用状況ですが、昨今の異常気象や学校の事情で利用が減少し、夏休みのプール開放もやめた学校があるという話もお聞きをしております。実際の利用状況はどのようになっているのでしょうか。教育部長にお聞きをいたします。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。     (教育部長 西村康正 登壇) ◎教育部長(西村康正) それでは、小・中学校のプールの状況についてお答えさせていただきます。 小・中学校における年間の水泳の授業は、各校とも6月中旬のプール開きから7月末の夏休み直前まで、特別時間割を作成し、天候が悪い日を除き、各クラスが交代で毎日利用しております。水泳の授業時間でございますが、1クラス平均、小学校で12時限、中学校では10時限程度となっております。 また、小学校は一昨年度まで全ての小学校で夏休みのプール開放を行っておりましたが、昨年度の猛暑を受けてからの中止から、今年度はPTA・保護者からの要望で、10校中4校で中止をいたしました。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 昔は暑ければプールに入るという時代でしたが、今は暑いと敬遠して使用しないというような時代にも変わってきているように思われます。 小・中学校17校のプールの管理費ですが、実際にはどのくらいになるんでしょうか。また、大規模改修はどのくらいの費用がかかり、どのくらいの周期で大規模改修をするようになるのでしょうか。 以上、3点について教育部長にお聞きします。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 学校プールの維持管理費でございますが、明南小学校と明科中学校は隣接していることから、この2校で1つのプールを共同で利用しており、市内16カ所の学校プールの平成30年度のプール管理費の合計額は約777万円でございます。 また、大規模改修の費用につきましては、改修箇所により事業費は大きく変動いたしますが、最近の工事実績から推察しますと、1つのプールにつき、大規模改修に伴う費用はおおむね3,000万円程度と捉えております。 また、大規模改修の周期につきましては、プールにはプール槽・ろ過機・管理棟などの施設がございます。プール槽の構造や劣化状況等により改修の時期は異なっていることから、明確な周期を述べることは難しいところではございます。国が示すプールの耐用年数30年を踏まえますと、塗装改修を除けば、おおむね30年が大規模改修の一つの目安であると思われます。ただし、学校プールは毎年プール授業開始前と開始後の年2回、プール点検を行っており、老朽化箇所等の修繕を随時実施をし、施設の長寿命化が図られていることから、近年の大規模改修は建築後32年から38年くらいとなっております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 利用率も少なくなってきており、また、大規模改修には3,000万円かかるということでありますけれども、そういった理由で、学校のプールを市民プールのように全て廃止というわけにはいかないと思います。 少子化が急速に進む中、1校に1プールが将来的に持続可能なのか、将来に備えるべきだと思います。また、先生の負担等を考えたときに、教育長はどのように考えているのかお聞きをいたします。 ○議長(召田義人) 橋渡教育長。     (教育長 橋渡勝也 登壇) ◎教育長(橋渡勝也) 宮下議員にお答えいたします。 小・中学校の水泳は、学習指導要領で各学年に応じた学習内容が定められております。水泳指導に当たる教職員は、安全管理に細心の注意を払いながら、楽しく効果的な学習になるよう指導方法の工夫などを行いながら日々努めております。 宮下議員御指摘のとおり、プールの維持管理費には多額の費用が必要となり、活用時期が限られていることはありますが、経費の縮減に努め、カヌーの練習等の活用も図っているところでございます。 しかし、何といっても自校のプールは児童生徒が安心して喜んで水に親しみ、水中での多様な運動経験を積み、健康・安全について学ぶために、極めて大切な学校施設の一つであると捉えております。 したがいまして、市教育委員会としましては、現状のまま維持していくことが必要であると考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) わかりました。 当然、そういった形が望ましいと思いますけれども、昨今は、これは教育新聞でありますけれども、老朽化が進み、プールは学校外でというような地区も出てきておりますし、夏休みにやらないということは、相当お母さんたちの負担がかかっているからやらないという結果だというふうに思います。 そういったことで、私がなぜこの時機にこの質問をしたかといいますと、年度内にあづみ野ランドの修繕計画をまとめるということだからであります。私が再三にわたり提案をしてきました赤字解消・健康長寿・穂高プールの代替という位置づけのあづみ野ランドの大規模改修について、管理者であります市長は穂高広域で取り組んでいただいておりません。修繕計画をまとめるということですので、10年、15年先の学校のプール事情も考え、将来、学校での授業にも使用できる1年中使えるプールを増設した大規模改修をするべきだと思いますが、管理者である市長にお聞きをいたします。市長、どうでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 学校プールの課題について、宮下議員の一部提案によると、あづみ野ランドのほうを強化して、そこを使ったらどうだというような受けとめ方をさせていただいたんですけれども、授業の時間にそこまで生徒を運ぶというようなことについては、非常に問題があると思いますし、時間的にも、休みの日であるとか、あるいは授業のない日であるとかということは可能かもしれませんが、通常の授業の中では、あそこを学校のプールと同じように活用するということは困難であるというように捉えております。 6月議会の際にも答弁をさせていただいたところでございますけれども、このあづみ野ランドは議員御案内のとおり、ごみ処理施設・焼却施設をこの場所で稼働するということで、どこも迷惑施設で受け手がない。そんな時代に、地元の皆さんの条件として建てられている施設でございますので、その設置目的から、一概に費用対効果だけで論ずることができない面があるというように思っております。地元で廃棄物処理施設を受け入れていただいた経過というものも、大切にしていかなければならないというように私は考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 今、地元という話が出ましたけれども、学校のプールについてはまだ話はしてございませんけれども、これは将来に向けた話ということでありますが、地元の有力な皆さんも、この施設については大変望んでいるわけであります。小学校を使うなら、午前中は学校のプール専用、午後からは一般という形。やろうと思えば、どういう形もできると思うんですが、これも市長、広域ということでネックになっているようですけれども、やる気になれば方法は幾らでもあると思います。 大規模改修には合併特例債が活用できるのか、スポーツ振興の補助金はあるのか、あるいは地方創生の補助金はあるのか、また、今計画をしている修繕には補助金がつくのか、既に研究はしていると思いますけれども、それぞれどのようになっているのか、市長にお聞きをいたします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) あづみ野ランド建設の経緯につきましては、先ほど来、述べさせていただいているとおりでございます。この問題は、宮下議員、よく御指摘をいただいておりますけれども、単に赤字・黒字ということだけで論じられない側面がございます。 これは、当然地元対策費として議会でも議決をいただいて認めていただいた上で執行している内容でございます。しかし、平成30年度における決算の内容、歳入歳出の差を見る上でも、組合管理者としての立場では、この状況が決してよいというようには捉えておりません。何とか構成市町村の負担金を縮減、圧縮をしていく必要があるというように考えているところでございます。 組織市町村の負担金の軽減に向けて、組合事務局には指定管理者の導入も含めて、あるいは民間で投資をしていただけるようなところがあれば、そういったところを積極的に研究をするように指示をしておりますし、現在、その検討作業を進めているところでございます。 また、平成30年度に実施させていただきました建物の調査結果。これは当初、10年程度ということでございましたが、できれば私としては、20年程度は安全に使用できるのではないかということで、現在、施設の長寿命化を図りながら運営をしてまいりたいというように考えております。 いずれにいたしましても、構成市町村の首長の皆さん方、あるいは議会とも相談をしながら進めていかなければいけない課題でございますので、現在のところ、施設の大規模改修は考えていない、増築等については考えていないということでございます。 ただし、民間投資。先ほども申し上げましたけれども、民間投資をしてくださる方がいて、運営をしてくださるような企業があれば、検討に値をすると考えておりますので、ぜひそんな企業も紹介をしていただければと思います。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 今の状況の中では受け手がないと思いますが、修繕計画ということですが、この修繕には今、基金が使われております。これには補助金がつくのかというのが1つ。それと、合併特例債が使えるのか、大規模改修に。あるいは、スポーツ振興の補助金はどうなのか。地方創生の補助金は使えるのか。これは既に研究していると思いますけれども、どのようになっているのか、市長にお聞きをします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 合併特例債を使うためには、特例債の使用期限までに建物が完成をして、支払いの全てを完了していなければならない。今までもお答えを申し上げてまいりましたけれども、まだ今後の方針については、指定管理者制度あるいは負担金を減らす方向について事務局には指示をいたしておりますけれども、この特例債を活用して増築するとか、その辺については一切何も決まっていない状況にございます。 穂高広域施設組合では、新ごみ処理施設の建設中でありまして、建設に当たっては、国の循環型社会形成推進交付金を受け、さらには、構成市町村において、合併特例債などの起債を活用しながら、より負担の軽減を図りながら進めているところでございます。まず、この新ごみ処理施設建設が計画どおり進み、事故のないように竣工すること。また、その後の運営を軌道に乗せるということが、当面課せられた第一の優先課題であるというように考えております。 したがって、先ほど申し上げましたけれども、施設の20年間を見据えた維持管理計画を検討するために、穂高広域施設組合事務局におきましては、地元区や構成市町村の担当課長を含む、あづみ野ランド施設運営検討委員会を立ち上げることになっております。 また、あづみ野ランドの施設のあり方につきましては、本年7月の穂高広域施設組合議会、全員協議会の場において、宮下議員の提案に基づき、当時の、小松議長でございますが、議長より、議員間の政策討論を行うために別途会議を設けて議論をしていただくことを提案いただいて、全議員の皆さん一致で賛同があったというように記憶をいたしております。 したがって、議員各位におかれましても、組合議会の場でぜひ御提言をいただき、議論を深めていただきながら、利用する方々にとっても、魅力ある施設となりますよう御協力をお願い申し上げたいというように思います。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) まだ、穂高広域の議員同士の議論には至っておりません。ですから、質疑の時間で聞くより仕方ありませんので、前に進めている状態ではございません。 それで、今計画を立てているということですが、修繕にはどのような補助金がつくんですか。恐らく4億円から5億円かかると思うんですけれども、補助金の当てはあるんですか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 今、施設を建設しているところでございますので、この施設建設については、私どもの市としては合併特例債を活用したり、また、国の環境型社会形成推進交付金を活用するということで環境省のほうへはどんどん足を運び、お願いをしているところでございまして、一定の補助はいただいている。こんな現状でございます。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 私の言いたいことは、改修にどの程度の補助金がつくかわかりませんけれども、合併特例債が活用できれば、15億円ぐらいかけて大規模改修をやって、約70%の補助金というか、国で返していただくお金を使えれば、同じ四、五億円でそういう施設ができてしまうと私は思っておりますので進めておりますけれども、この補助金が一切ゼロだということになれば、この案は全く無理な話だと思っています。 しかし、これが適用できれば、これは税金を集める所管は違いますけれども、いずれにしろ1億円近い、市民から集めた税金が毎年助かるということでありますので、ぜひ検討していただいて、次の質問に入ります。 次の質問は、災害対策に入ります。 これについては、今まで何人かの議員から質問がありましたが、私は個別的な部分をお聞きをします。 その前に、このたびの一連の災害で被災された皆様方には、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興を願うばかりであります。 それでは、1つ目の質問、明科川西地区の避難であります。 川西地区は浸水想定が5メートルにもかかわらず、避難所がありません。この質問は今回で3回目になります。今までの答弁が現実的ではないからであります。1回目は29年9月定例会の一般質問ですが、そのときの市長の答弁は、広域的な視点から、池田町と連携をとり相互協定が必要になってくるという答弁でした。 それから約10カ月後の30年の7月6日の豪雨で、高瀬川の堤防が決壊寸前で、対応が30分おくれれば、川西の下押野地区は2階まで浸水していたと思われます。しかし、池田町への避難指示はありませんでした。 ことしの6月定例会での質問の答弁は、明科農村広場に避難すればいいというものでしたが、しかし、農村広場には野球のスコアボックスしかありませんし、雨の日は全くグラウンドに入れません。安全な避難場所が必要だと思いますが、総務部長の見解をお聞きをいたします。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。     (総務部長 金井恒人 登壇) ◎総務部長(金井恒人) お答えさせていただきます。 この件につきましては、本年6月の定例会で市長が答弁した内容と変わるものではございませんが、川西地域で見た場合に、管理条件、立地条件を満たす明科農村広場を指定緊急避難場所の適地と判断し、指定したという経過がございます。また、その農村広場周辺には、利用可能な駐車場がございます。50台程度の駐車スペースがございますので、車中泊等の利用は可能というふうに考えております。 なお、現在、安全な避難先の一つとしまして、池田町との災害時相互応援協定書の締結調整を進めておりますし、さらに、今後は高瀬川流域の右岸も範囲として広域的な災害協定の締結を進めていきたいと考えております。 そのような中で、安全な避難場所の確保を図りたいと考えているところでございますが、押野地区の自主防災組織の自主避難計画の中では、明科公民館も例示がされております。洪水対策を考えた場合に、安全に避難できる場所につきましては、そういった形での取り組みを進めまして周知を図ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) きょうの報道に、池田町との応援協定という記事も出ておりましたけれども、高瀬川が決壊した場合には、水の来るほう、上流へ逃げるというのは不可能であります。また、公民館へ行くには橋を渡らなければいけないということでありますので、これにつきましては、川西地区の区長会で検討しているようですので、区長会からまた市長に相談があると思いますけれども、よろしくお願いをいたします。 いずれにしろ、命がかかったことでありますので、何らかの対応をしていただき、次の明科南認定こども園の避難対策であります。 このこども園の場所も浸水想定5メートル以上で、こども園は平屋ですので、屋根上まで浸水してしまいます。避難をするには、前川の橋を渡らなければいけませんので、何らかの避難対策をしなければいけないと思いますが、どのような対策を考えているのか、市長にお聞きをいたします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) これは、大変大きな課題でございまして、新園舎へ移転後の明科南認定こども園における避難対策でございます。最も懸念をされる自然災害、洪水による水害ということでございます。 千曲河川事務所が平成28年に発表しております浸水想定区域、最大規模の降雨を想定して策定されたものによりますと、新しい園舎の位置は、浸水想定が5メートル~10メートル未満のエリアに該当いたします。 このような立地環境でございますけれども、隣接するところに県の水産試験場の建物がございまして、この基礎の高さが過去の水害経験から55センチになっていることを参考にさせていただきました。当時は、千曲川の決壊というような予測もできなかった時代でございますけれども、新園舎の敷地を造成前の地上レベルよりも60センチ程度かさ上げをさせていただいております。しかし、ソフト面の対策としましては、適切な避難計画の策定と実行が最も重要な対策であるというように考えておりますし、現在、水害を含めた計画の策定作業を進めているところでございます。 千曲川河川事務所等とも連携をしながら、犀川の堤防の護岸の強化等も図っていく必要があるというように考えておりますけれども、園でお預かりをする子供さん方、乳幼児も含まれているということでございますので、高齢者と同じように避難に時間を要する人の区分に含まれることを念頭に入れまして、警戒レベル3では確実に避難できるように計画をしていかなければいけないというように考えております。避難訓練をやはり定期的に実施をすること。そして、身をもって災害に備えて早目の避難を実施をすること。また、自然災害が予期される場合には通園を中止をしていただいて、家庭保育の協力を依頼するなどの対応が重要であるというように考えておりますが、いずれにしても、大きな課題であることは間違いございません。 今後とも、市としても全力を尽くして、子供たちの生命を守っていかなければいけないというようには考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) そういった勧告だとか、ソフト面の防災ということは当然なことでございますが、やはり、私はこれはハード面もしっかり考えていただき、高架橋が必要だと思います。全て前川を渡る橋が高くないと、あそこを渡るにつきましては、非常に困難だというふうに感じますので、その辺、高架橋について市長はどのように考えておりますか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 福祉の担当のほうに、経過等については答えさせたいと思います。 ○議長(召田義人) 野本福祉部長。     (福祉部長 野本岳洋 登壇) ◎福祉部長(野本岳洋) 前川にかかる橋につきましては、過去において敷地を設定するときに検討した経過はございます。しかしながら、費用が大幅にかかるということもあり、今回の計画には含まれていないというところでございます。 現実的には、駐車場を川の向こうに今造成していますので、そこのところで浸水の想定区域が少し下がるということもありまして、早目、早目の避難に心がけるというところで対応していきたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) 小さなお子様を預かる施設でありますので、避難するにもやはり時間がかかると思います。ハード面の対策をしっかり考えていただきまして、次の防災ラジオの活用の質問に入ります。 防災ラジオの必要性については、何人かの議員が質問をしておりまして、私で5人目であります。そして、今までの質問から、市も重要性を認めております。しかし、安曇野市の普及率は9%であります。ちなみに、筑北村は全戸に無料配布だそうであります。 そこで、いざというときに命を守る防災ラジオを普及させる提案を3点いたします。 1点目の提案ですが、補助金の延長。これは初日に代表質問で3年延長ということでありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。 2点目は、行政が防災ラジオの必要性をPRし、区を通じて注文書を配布、注文を区単位でまとめていただき、市が対応するというものです。市が積極的に区との連携で普及をさせる。今までどおり個人、個人の注文ではなかなか伸びないと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 3点目は、平時の広報の充実であります。昔の有線放送のお知らせのイメージで、朝・昼・夜に自動的にスイッチが入り、これは音が適音でなければいけませんが、市の広報あるいはイベントや行事のお知らせなども含めて、放送をしていただくというものであります。そうすることによって、加入者は大幅にふえると思います。命を守る施策には多少お金がかかりますが、充実をさせるべきだと思います。市長、どうでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) いざというときの災害防止に対しては有効な手段であるということで、昨日来、あるいは一昨日来、答弁をさせていただきましたように、防災ラジオの補助制度は3年間延長したいということで取り組まさせていただきます。これは、今回の千曲川の決壊等を受けて、市民の皆さんの意識も大分変化をしてきているのではないかというように捉えているところでございますが、若い皆さんにすれば、防災ラジオ以外にいろいろな手段で情報が耳に入ってくるというような現状の中において、本当に必要としていない皆さんも大勢いらっしゃるのではないかと思いますし、普及率が低迷をしている原因だというふうに考えております。 市は、平成28年3月に防災行政無線・戸別受信機によるアナログ放送の終了に伴って、これにかわる音声による広報媒体として、28年4月からあづみ野エフエムを活用して、市の広報番組の放送を始めさせていただいたところでございます。 現在、各課のお知らせを放送する「広報あづみの暮らしのガイド」を朝夕の5分間、また、広報紙に掲載した情報を中心に、「広報あづみのラジオ版」を昼と午後の15分間放送し、まちづくりにかかわる市民などが出演をするまちづくり「多士済々」を毎週水曜日40分間放送しております。しかしながら、平成29年度に行った広報広聴制度に関するアンケートでは、コミュニティFM放送を毎日聞いている市民の割合は3.4%という結果が出ております。全く聞いたことがないという市民は62.6%に達しました。また、30年度に行った市民意識調査では、あづみ野エフエムの広報番組を頻繁に利用されていると回答された方が、わずか2.5%であります。余り普及をしていないという状況が浮き彫りになってまいりました。 市といたしましても、より多くの皆さんに番組を聞いていただくように、広報紙等でPRに努めるほか、職員が番組に出演するなど、内容の充実を図っているところでございます。市からのお知らせを、かつての有線放送のように防災ラジオを使って放送できないかという提案でございますけれども、有線放送のときも、大変うるさいというようなこと、そして、切ってしまったというようなお話も聞いておりますし、また、夜間勤務の皆さんは昼間休んでいるときに有線放送が大変うるさいというような苦情も、市のほうに寄せられたという経過もございます。 いずれにいたしましても、まず、防災対策の面から、防災ラジオの普及のための広報に力を入れていくとともに、より多くの市民の皆様方にラジオの広報番組を聞いていただけるように、放送時間の変更であるとか、番組の周知であるとか、放送内容の充実に努めてまいりたいというように考えております。 ただ、今の若者、新聞を読まない。みずからの情報を多く知らなくても、必要なものだけを抽出するというような傾向にございまして、果たしてどこまでこのFMラジオを聞いていただけるか、未知数ではございますけれども、市としてはしっかり努めていかなければいけないと考えております。 また、区を通じての注文とりというようなことでございますが、私は、やはりみずからの命はみずから守るという原点に立てば、それぞれの御家庭で話をしていただいて、やはりみずからが購入に進んでいただければという思いがございます。そしてもう一つは、あづみ野テレビもございますけれども、これは失礼かもしれませんが、あづみ野テレビのほうは積極的に営業活動を進めておりまして、ある面では何回も何回も訪問をされながらこの普及に努めている状況が伺えます。一方、FMのほうは企業活動としての営業活動が、私個人的には不足をしているんではないかなというようなことを感じているところでございます。 以上です。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。 ◎総務部長(金井恒人) それでは、防災ラジオの無料配布についての考え方と、区を通じた普及……。     (「無料は聞いていない」の声あり) ◎総務部長(金井恒人) それでは、区を通じての防災ラジオの普及促進はどうかという御提案について答弁させていただきます。 既に市内の区の一部におきましては、あづみ野エフエムが作成した緊急告知機能つき防災ラジオの発注用紙を、区の回覧文書として各家庭に周知しているという区がございます。そのような例もございますし、市では年3回の地域自主防災会議を開催しております。その中で、防災用品補助金制度について説明を行いまして、防災ラジオについても、購入の働きかけを行っているところでございます。 来年1月に本年度3回目の地域自主防災会議を開催いたしますので、区のそうした取り組み事例を紹介する中で、防災ラジオの購入を希望する市民の皆様に対しまして、普及を図れるよう補助制度の活用をPRしてまいりたいと考えております。 なお、今年度もまだまだ予算がございます。また、来年度以降も継続して制度は維持するということでございますので、より一層PR、また周知を行いまして、普及を図りたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 宮下議員。 ◆16番(宮下明博) わかりました。私で5人が防災ラジオの充実・必要性を一般質問でやっているわけですので、対応をしっかりしていただきたいというふうに思います。 少子高齢化時代を迎え、持続可能な安曇野市であるには、人口増加策と企業誘致が最大の課題だと思います。また、発想の転換で大きなマイナスを大きなプラスに変えることができます。そして、命を守る施策にはハード・ソフトともにお金がかかります。安全・安心で住める安曇野市を願って質問を終わります。ありがとうございました。--------------------------------------- △小林陽子 ○議長(召田義人) 続いて、1番、小林陽子議員。持ち時間は25分以内といたします。 小林陽子議員。     (1番 小林陽子 登壇) ◆1番(小林陽子) 1番、小林陽子です。 通告書に基づき一般質問をいたします。 まず、市の重点化施策の一つ、「子育て環境の充実」の拡充について伺います。 10月に安曇野市議会では、人口減少対策に関する政策提言を行いました。合計特殊出生率を上げるために幅広い子育て環境整備が必要とし、特に、ゼロ歳から2歳児とその御家族を対象とした子育て支援拠点施設の拡充を挙げました。 具体的には、児童館等における子育て支援拠点施設の機能を強化することと、地域における子育て広場の設置・運営への支援の2点を提案しました。また、安曇野市まち・ひと・しごと創生総合戦略、平成27年~31年度の計画ですが、この基本目標の一つに、「安心して出産し、子育てできるまちをつくる」とありまして、安曇野市のまちづくりの基本に、子育てのしやすさは必須項目です。 まず、市の人口減少の状況について、政策部長にお聞きします。 安曇野市も年々人口が減少していますが、安曇野市まち・ひと・しごと創生総合戦略における2040年の市の人口目標は8万3,000人。これに向けては順調な推移であるとのことです。しかし、年齢構成を見ますと、65歳以上人口が30%を超え、一方で、15歳未満の年少人口は減少しています。また、これまでは安曇野市の自然豊かな環境に引かれて、30代を中心とした年代が子供を伴って比較的多く移住し、人口の社会増があった経緯がありますが、ここ数年、市内各地域では小・中学生の数が減っており、年少人口が減少しているという実感があります。 こうした現状を踏まえ、安曇野市の人口推移予測に関する評価と今後の見込みはどうでしょうか。 ○議長(召田義人) 上條政策部長。     (政策部長 上條芳敬 登壇) ◎政策部長(上條芳敬) それでは、お答えをいたします。 安曇野市の総人口でございますが、2000年までは社会動態・自然動態ともにプラスで推移し、2008年・2009年を除きまして、社会動態が自然動態を補いながら人口増加を続けておりましたが、2010年をピークに減少に転じ、その後2013年には社会増数の減少が影響し、人口動態はマイナスとなりました。2013年に公開されました国立社会保障・人口問題研究所の推計値を用いた市の将来人口の推計では、2010年の人口9万6,479人が、30年後の2040年には7万8,205人まで減少すると見込まれ、30年間で約2割の人口減少が推計されたところであります。 その後、社人研では、平成30年3月に推計値を修正し、2040年の7万8,205人を8万303人と、2,098人の上方修正をしています。人口減少の傾向は続きますが、減少幅は明らかに改善されております。 また、同様にゼロ歳から14歳までの年少人口8,030人から8,153人へ、123人の増加を予測しております。65歳以上の老年人口にあっては、3万2人、高齢化率38%を、3万2,928人、高齢化率41%、2,926人の増加へと修正をしています。あくまでも推計値によるものでありますので、長期的な視野に立った検証が必要ではありますが、少子高齢化の進行は人口予測のレールに乗りまして、年少人口と生産年齢人口の減少、老年人口の増加といった傾向が続くものと捉えております。 また、当市の年齢別の人口構造では、団塊の世代と呼ばれるおおむね70歳前後の人口と第2次ベビーブームのおおむね50歳前後の人口が突出し、25歳前の男女ともに、高校卒業後、進学や就職等で市外に転出していることが伺えます。 一方で、実績値として県が公表しております毎月人口異動調査では、平成29年中、これは1月1日~12月31日まででありますけれども、年間人口の増減数において、当市の社会増減数はプラス427人、平成30年にあってはプラス262人、県内では上田市・佐久市に次ぐ3番目の増加数ということであります。さらに、移住セミナーやおためし住宅、窓口相談や空き家バンクの活用など、市の何らかのサポートによる移住者数でございますが、平成29年度は41世帯90人、うち小学生以下の子供がいる世帯は14世帯であります。同じく30年度にあっては30世帯65人の方が移住され、小学生以下の子供がいる世帯は7世帯であります。 市の総体的な人口、確かに減少傾向にありますけれども、減少幅を食いとめる効果、明らかにあらわれてきているものと感じております。本年度策定の第2期総合戦略、これを基本にいたしまして、安曇野ファンの増加により減少幅の緩和に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 人口減少の幅は減少しているということで、いろいろな施策の成果があらわれているものかとは思いますが、ただ、高齢化率が今後38%ですとか、40%に突入していくということで、ちょっと短期間の間に大きな社会の年齢構成など、いろんな変化が押し寄せてくるというようなことを感じております。そこで、やはり人口減少対策というのは、地道なもので続けていかなければいけないものかと思います。 次に、市議会の政策提言に関する市の対応状況について、市長にお伺いいたします。 どこの部署が主体となって進めるのでしょうか。また、民間のアイデアや力を活用した官民連携の仕組みづくりが必須であると考えますが、どのように取り組むのでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 去る10月に、市議会のほうから、人口減少対策に関する提言書をいただいたところでございます。この対策の一つとして、特にゼロ歳から2歳の子育てが安心してできる環境整備の充実について、提言をいただいたところでございます。 提言書では、児童館等における子育て支援拠点施設の強化、地域における子育て広場の設置と運営への支援が掲げられておりました。これは市も人口減少に対する重要な課題として捉えてまいりました。これらの子育て環境の充実の一環として、現在あります9つの児童館、これに未就学・未就園児の親子が集う事業や読み聞かせであるとか、体験会のイベント等を開催するなど、各事業を現在も実施しているところでございます。 さらに、提言にありましたような事業が実施できる運営体制を見直したり、環境整備の改善ができれば、事業展開をしていくことも一つの方法ではないかというように捉えております。現状をふまえて、今ある施設をより有効に活用していくべきであるとの考え方を持っておりますので、今回の議会からの提言や市民の皆さん方からの要望等を踏まえて、子ども・子育て会議などで十分今後議論をしていくことになります。その上で、市としての方向性をお示しをしていきたいというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 前向きに検討されているということですが、どこの部署が主体となって進めるということなんですか。それは、福祉部長にお聞きします。 ○議長(召田義人) 野本福祉部長。     (福祉部長 野本岳洋 登壇) ◎福祉部長(野本岳洋) 小林議員にお答えをいたします。 先日、市議会から提言書が提出されてから、提言内容に関する部署、市民生活部・保健医療部・教育部・福祉部の4部長で協議をいたしまして、子育て支援施設の一つとして福祉部が所管で関係部署と連携をしながら検討していくということになりましたので、よろしくお願いします。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 関係4部と連携をして、そして福祉部がまとめて推進するということでお聞きしました。 ただ、子育て支援というのは、これは市の人口減少を食いとめ、若い世代に入ってもらって市を活性化していくためのそういう施策であります。限られた福祉の予算をどう使うか、どう振り分けるかというようなことをよく議論されるわけですけれども、そういった議論からは一線を画すべき。そういったものだと思います。 市の計画でも、安曇野市まち・ひと・しごと創生総合戦略、こちらのほうでも一番の大事な施策ということで掲げています。子育て支援というものは、そういうふうにもっと推進すべきだと思いますが、実際、この提言を行っている間に、市民の方からも地域の子育て広場、この場づくりをしたいという、そういった声を私のほうでも伺っています。 こうやって市民の方が気運が盛り上がっているというのに、生かさない手はないと、そう思うんですね。来年度に向けては、まずモデルケースとしてやっていただけるように、予算をとって始めてみてはいかがかと、そういった御提案をしたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 先ほど部長が話しましたように、この窓口は福祉部ということでございますので、福祉部長に答えさせます。 ○議長(召田義人) 野本福祉部長。 ◎福祉部長(野本岳洋) お答えをいたします。 地域の子育て支援団体等への支援ということでございますが、地域の方々と協働しながら、地域全体で子供を育てるという体制を整備していくことについては、少子化・核家族化が進む中で大切な取り組みというふうには考えております。 現在、子育て支援活動を実施している民間団体等をまず把握をするために、先月、各区長さんや市の社会福祉協議会各支所へ情報提供を依頼しており、現在行っていること等を把握をする中で、行政に求めているものや困っていることをお聞きする。その中で、地域づくりの一環として、活動しやすい体制がとれるように支援方法を検討していくことになるかと思います。 議員御提案のとおり、今現在、これからやってみたいという方々もいらっしゃるということはお聞きしておりますので、そういう皆様の声も私のほうで生でお聞きをしながら、どんなことができるのかを考えていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 地域の子育て広場に関しては、ぜひ市民の方の力もお借りして、みんなで進めていければ、子育ても地域で行うという気運も上がってきてよろしいかと思います。大変前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。 それでは、次の質問です。 子育て支援拠点施設の拡充に関して、現在策定中の令和2年~6年度の第2次子ども・子育て支援事業計画とのかかわりはどうか、その方向性をお聞かせください。これに関しては、昨日の竹内議員へのお答えと少し重複するところはあるかもしれませんが、よろしくお願いします。 ○議長(召田義人) 野本福祉部長。 ◎福祉部長(野本岳洋) 現在、第2次安曇野市子ども・子育て支援事業計画を策定中でございます。それには、昨日も申し上げたとおり、ニーズ調査をしたり、あるいは市議会からの政策提言にもございました3歳未満の子供を持つ家庭への支援の充実につきまして、重点課題として取り上げております。それに向けた事業に取り組むように計画に盛り込んでおります。 なお、この計画につきましては、今議会中に素案をお示ししたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) ありがとうございました。今回の議会の提言ですが、市が全てをやるということではなくて、地域の子育て広場の設置については、市民の方の力も借りて設置・運営をすることを盛り込んでおります。ぜひスピーディーに推進されますように、いま一度真摯に対応を検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問にまいります。 農業を取り巻く環境整備について伺います。 平成29年度から5年計画の第2次農業・農村振興基本計画及び振興計画が、計画期間の中間点に来ています。市内の農業の大きな課題として、安曇野市内で農業に従事される方の高齢化は進み、引き受け先のない遊休荒廃地の増加が懸念されます。少し前までは、3世代同居や兼業農家は当たり前で、多くの担い手がいたことで、安曇野らしい田園風景が維持されてきました。 しかし、その生活スタイルは大きく変化しています。農業は市にとっての基幹産業でもあり、安曇野の景観や文化を育んできたとても大切な産業でありますし、こうした時代の中で、市の農業施策と今後の展望がどうであるかについて伺います。 計画にある振興戦略の3つの柱。これは、『農業で「稼ぐ」』、『田園を「守る」』、『安曇野に「生きる」』、この3つですが、この柱についてどのような進捗か、今後の見通し及び進め方はどうか、農林部長にお聞きします。 ○議長(召田義人) 高嶋農林部長。     (農林部長 高嶋雅俊 登壇) ◎農林部長(高嶋雅俊) 農業・農村振興計画についてお答えをいたします。 市の農業とそれを担う魅力ある農村づくりを目指すため、平成23年に策定し、平成29年から第2次計画となり、現在3年目となっているということは議員おっしゃったとおりでございます。 この計画の評価・点検は毎年行っておりまして、平成30年度の取り組みを、農業・農村振興計画推進委員24名で評価し、その結果は10月7日、市長のほうへ報告をいただいております。計画全般の進捗については、203件の実施施策がございますが、そのうち97%が着手されており、おおむね順調という評価をいただいております。ただし、進捗がおくれている実施施策、あるいは数値目標を掲げておりますが伸び悩んでいる項目等について原因を分析し、実施内容の具体的な改善や目標に向けて計画的に推進するよう求められております。 この具体的な内容ですけれども、委員からの意見として、1点目、担い手の確保として、市や県、JAといった関係機関との連携、人・農地プランの実質化、農ある暮らしの推進。2点目として、農業の多面的機能の理解促進として、田園環境を守るため、農家・非農家が互いを尊重する地域づくりの推進。3点目として、農をきっかけとした関係人口の拡大として、農家民泊の推進や友好都市イベントの出展等で、継続的に市の農業・農産物とつながってもらえるような機会の創出。4点目として、有害鳥獣被害対策として、地域一丸で取り組む体制や支援策の創出、などの要望をいただいております。 これらにつきましては、市の方針としても特に重点的に取り組むものとして、委員の皆さんにもお示ししたところでございます。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) お答えをいただきました。 今、その推進委員24名の方の会議の中で、4つの要望というふうにまとめていただいたものは、確かにどれも重要なことかと思います。計画全体としてはおおむね順調ということですので、ぜひそこの部分に集中していただきたいと思います。 1つ、再質問させていただきたいのですが、特に、稼ぐことについて、農業委員会とJAと市との連携が大事ということですが、稼ぐことについては、農協との連携というのはとても大切かと思います。そのことについて、もう少し何か意見、展望などありましたらお聞かせください。 ○議長(召田義人) 高嶋農林部長。 ◎農林部長(高嶋雅俊) 『農業で「稼ぐ」』につきましては、3つの柱として、経営基盤の強化・ブランド力の強化・農産物直売所を拠点とした6次産業化の推進等を掲げております。 この中では、ブランド化の推進として、現在、タマネギ等を重点作物として推進をしておりますし、ほかの品目でもブランド化ができないかというようなことをしております。ブランド化をするに当たっては、生産と流通と販売が結びつかなくてはならないというようなこともございますので、販売等のほうについて販路拡大ですとか、そういった意味でJAの役割は大きくなるのではないかと考えております。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) お答えいただきました。 次に、後継者対策や担い手確保は喫緊の課題ということで、このことについて、関係人口を絡めてお聞きします。 これは農家だけの問題とせずに、非農家や若い世代の方も巻き込んで検討すべきと考えます。市内の兼業農家数、これは先日の内川議員の人口減少対策に関する代表質問にもありましたけれども、平成7年の5,048戸から平成27年の2,283戸と、20年間で半分以下に激減しました。実際に5反歩、1町歩の農地を耕作してきた方が高齢になりできなくなったが、子供たちは遠くの地域にいて耕作できないから、誰かに引き受けてほしいというケースがふえているといいます。 一方で、都市圏においては、田園回帰の潮流が鮮明になったという国土交通省の調査結果が先日報じられました。それによりますと、3大都市圏の居住者のうち、帰省以外で特定の地域に継続的にかかわっている人は24%にも上り、さらに、現在は特定の地域とかかわりはないという人のうち、何らかの形でかかわりたいと希望している人も3割いたということです。このような人たちは関係人口と呼ばれており、近年、地方を活性化させる一つの流れとして注目されています。 この関係人口の広がりは、安曇野市にとってチャンスといえます。すぐに農業と結びつくというものではないと思いますが、安曇野を訪れて気に入った、農産物を食べたらおいしかった、農業体験をしたら元気になった、そして、もっとやりたいと思って安曇野で農業をしたいと希望する人が100人に1人くらいはいるかもしれないと考えます。 農業は、きつい・汚い・危険、3Kですけれども、それだからなり手がいないということではなくて、安曇野で農業をやっているこんな若手がいる、安曇野の農業にこんな魅力があるといったことの発信も考えられます。 こうした地道な取り組みが必要だと考えますが、市長はどうお考えでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 私ども、御案内のとおり、田園産業都市を掲げておりますので、農業を今後とも持続発展をさせる、そして振興させるということは極めて重要な課題であると捉えております。 ただ、先ほど部長のほうから答弁をさせていただきましたように、農業離れが進んでおりますし、後継者不足ということが大きな課題でもございます。特に、市内での農業離れが進んでいる現状を見ましたときに、農業に従事をする方を市外に求めるということも必要になってくるんではないかと捉えております。 田園環境に囲まれて暮らしたいと思う人も市外には多くおいでになるんではないかと思っております。新規就農者の具体的な確保策として、先月の30日、安曇野に移り住んで、まさに田園回帰である農ある暮らしを推進するために、友好都市の武蔵野市におきまして、農ある暮らしをテーマにした移住相談会を実施いたしました。この折に、8名の方から相談を受けたところでございます。 今後ともこの取り組みを継続していきたいと考えておりまして、これを拡大する意味で、すぐには移住につながらないとは思いますが、就農につながったり、また就農につながらないまでも、議員御指摘の関係人口をふやすという取り組みにつながっていくのではないかという思いがございまして、有効な手段ではないかというように捉えております。 当市では、関係人口の増加につながる取り組みとして、既に農家民宿を実施しておりますし、また、産直センター運営事業も行っているところでございます。農家民宿は若い世代の皆さんに農業を体験してもらうことで、安曇野に移り住んでもらう。そして、農業についていただけることを期待しているものでございます。 また、産直センターでは、農産物の直送を行っているところでございますが、安曇野で新鮮でおいしい農産物をみずからも栽培をしてみたいと思う方が出てくるかもしれません。農家民宿につきましても、産直センターにつきましても、来年度以降、さらに来訪者や販売量をふやしていけるように体制づくりを進めていきたいというように考えております。 このように、市の財産であります農業・田園を生かした取り組みを今後も進め、安曇野のファンを獲得して、関係人口増加をしていきたいというように考えております。 なお、関係人口の増加への取り組みは、農政サイドだけでなく、観光業や商工業とも連携をして取り組んでいるところでございますが、今後とも関係部署、また関係機関と連携を図りながら取り組んでいきたいというように考えております。 ただし、農業は中へ入ってみれば、そんなに外から見ているよりも楽なものでなく、大変興味は持っていても、いつまで農業を続けていただけるか、稼ぐということになれば、なかなか一般のサラリーマンには及ばないような収入で、汗と涙、土にまみれる仕事でございますので、そう簡単には、外部から見ているようなことにはならない、そんなに楽な仕事ではないというようには捉えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 農業は楽な仕事ではないというのは、本当に身をもって感じてはおりますけれども、ただ、畑に出て農作業をして、そしておこひるをいただいてという、そういった時間がとてもすがすがしく私は感じられます。また、農作物を自分の手で育てて、そして食べる喜びもありますが、さらに、それを喜んで食べていただける方にお届けする。喜んでいただくということにも大変やりがいを感じております。皆が皆、農業をということではないかもしれませんが、農業に関するようなこと、食べることからつくることまで幅広くありますので、何らかかかわっていただくことに楽しみを感じていただく方がふえていったらいいなと思っております。 そこで、市長にもう一度お聞きしますけれども、この関係人口をふやす取り組みを農政だけではなくて、商工や観光、政策ということで連携をして取り組むということですけれども、さらに、こういった部署にまたがってしまいますので、スピーディーにこれを取り組むために、何か庁内で推進プロジェクト、庁内を出てもいいと思うんですけれども、推進プロジェクトみたいなものを立ち上げてやられるということはいかがでしょうか。 例えば職員の方を庁内で、やってみたいという方を公募したりですとか、アイデアがある若手の方、それから安曇野が好きで移住してきた方などにも積極的に参画をしていただく。言うなれば関係人口からの農業推進プロジェクトというような感じで、強力に進めていただくのはいかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 先ほども述べさせていただきましたけれども、これは農業部門だけ、農林部だけでは取り組めない課題だというふうに考えております。他の部門、商工観光等とも連携をとることが大変必要だというように考えておりますので、議員提案も含めて、今後しっかり研究をしていきたいというように捉えております。 私は産業全てが発展をしていくためには、お互いに産業界・工業界とも連携を深めていくことが必要だというように捉えておりまして、今ある条例ですね、農業振興条例と工業振興条例とを一緒にした産業振興条例をつくったらどうだという提案を以前いたしました。ただ、一部いろいろと異論があって、これがまだ進んでいない状況にございますが、お互いに連携をし合うことは非常に必要であります。 したがって、今後、それらの内容も含めて、しっかり内部で検討させていただきます。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) 連携をしていくということで、市長から大変前向きなお答えをいただきました。 それでは、次に、自転車を活用しての市民のためのまちづくりについて伺います。 市では、自転車を活用したまちづくりを推進していますが、安曇野市内では市民の主な移動手段は専ら自家用車で、自転車を利用する人は少ないように見受けられます。自転車といってすぐに思い浮かぶのは、風を切って走る爽快感です。ここ安曇野で北アルプスの山々を臨みながら水田や果樹畑の中を、また四方八方に張りめぐらされた水路沿いを自転車で走るのはとても気持ちがよく、それだけで健康になってしまいそうなイメージがあります。 しかし、自転車の走行に当たり注意しないといけないことも多数あります。田んぼの中の農道は避ける場所がないと、車とすれ違った際に田んぼに落ちて泥んこになってしまう危険性があります。街なかでは歩車分離されていない、または歩車分離されていても、舗道側がとても狭くて、車と一緒に車道を走ることには危険を伴います。自転車の運転マナーが向上しなければ、ドライバーからすると自転車自体が危険な存在となってしまいます。交通安全の面から、もっと議論されるべき点が多くあるのではないでしょうか。 市長はまちづくりとして、自転車活用を取り上げていますが、具体的に自転車をどう活用していくお考えか伺います。
    ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) まず、この自転車を日常生活の中で移動手段として活用することによって、健康増進、どの程度の効果があるのかを検証するために、本年度から3年間の予定で、自転車活用による健康づくり実証実験教室を開催いたしております。この教室には、30代~60代までの市民の皆さん、25名の皆さんが参加されまして、4月~10月まで、元オリンピック選手の小林可奈子さんや松本大学の協力のもとに、活動量計などを用いまして、基礎体力の測定や栄養指導、安全指導、ツーリングなどを行ってまいりました。この結果報告を12月19日に市役所大会議室で開催させていただきます。また、この効能を確認し、成果を広報紙等で広く情報発信をすることで、自転車を活用した健康増進を推進してまいりたいというように考えております。 これに加えまして、小林さん監修による市内3コースのサイクリングコースの設定に向けて準備を進めているところでございます。コースの1つには、県のあづみ野やまびこ自転車道の有効活用も含まれております。現在、県や庁内関係者等による現地確認を終了し、来年度以降、3コースの中から順次道路標識や看板設置など整備をする予定となっておりまして、今年度中にコースの設定まで行いたいというように考えております。 また、令和2年度においては、サイクリングコースの設定のほかに、自転車活用による健康づくり実証実験教室、また、自転車のオリジナルラベルのペットボトルの水の製造、高校生を対象とした自転車交通安全教室、キッズバイクスキルアップ教室など計画をしているところでございます。 さらに、広域的な取り組みとして、松本広域圏の自治体と連携を図る中で、サイクルツーリズムを推進して、滞在型の観光振興にもつなげていきたいというように考えておりますし、この自転車活用は将来的には、今世界的な話題になっております環境の維持、CO2削減等にも役に立ちます。また、災害時の移動手段としても、自動車で行けないところは自転車での買い物であるとか、いろいろ利便性が高まっております。そして競技人口もふえているということでございますので、観光振興等につなげて、自転車のまちづくりの促進に向けた取り組みを推進していきたいというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) ただいま取り組みについて伺いました。 ただ、最近、またこういった流れがあります。子供が乗る自転車が歩行者に大けがをさせて、1億円近い高額な損害賠償額を請求されると、そういった事例があります。自転車の重大事故が増加している。実際に、歩行者と自転車との交通事故件数は10年で1.5倍になっているということです。 こうした状況を鑑み、長野県でもことし10月から自転車損害賠償保険が加入義務化されました。自転車運転に伴う危険な点が一般にも知られるようになってきたためと理解をしております。用がないのに自転車に乗るべきではないと考えるのが普通ではないでしょうか。 観光客の自転車利用も今までのようには使われない、そういった懸念も出てきます。自転車を活用したまちづくりというのならば、市民や観光客が安心して自転車を利用できるよう安全性を担保することが最優先であり、その上でまちづくりにどう生かすかではないでしょうか。 市内の自転車事故等を分析して、危険な箇所などを把握をしているでしょうか。また、整備事業として、ハード面としては自転車道そのものの整備など、ソフト面としては自転車を利用する際のルールづくりやマナーの周知に加え、危険箇所を見える化して、市内の学校や家庭にも配布するなどにより、自転車利用者にも、ドライバーにも周知して安全に配慮する、または別のコースに回避するなどの工夫が必要ではないでしょうか。 安曇野市内の自転車事故の件数・状況も含めお答えください。市民生活部長と都市建設部長にお聞きします。 ○議長(召田義人) 宮澤市民生活部長。     (市民生活部長 宮澤万茂留 登壇) ◎市民生活部長(宮澤万茂留) それでは、小林陽子議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、安曇野市内の自転車事故の状況でございますが、平成30年の統計によりますと、市内で発生した388件の人身交通事故のうち、自転車事故が30件で全体の8%を占めておりまして、そのうち年代別で見ますと、10代の事故が半数を占めている状況であります。 市では、自転車賠償保険加入の義務化について、市民の皆さんに広く周知をさせていただくため、市の広報やホームページのほか、自転車販売店や市区長会等を通じて案内をしてまいりました。また、学校やPTAにおきましても周知が図られている状況であります。 また、自転車の安全利用のための啓発といたしましては、小・中学校の交通安全教室におきまして、走行のルールや歩行者保護について体験しながら学んでいただいておりますし、本年度からの試みといたしまして、通学等で自転車を使用する機会の多い高校生を対象とした交通安全教室を、本年度は穂高商業高校で、また、次年度は豊科高校で実施する予定でございます。 自転車を活用したまちづくりを推進する上で交通安全対策が課題となることから、自転車運転者の道路交通法等の関係法令の遵守はもとより、自動車運転者の自転車への配慮等も含めまして、県の自転車条例に基づく推進を行ってまいりますし、また、ライフステージに合わせた交通安全教室を通じた交通安全の推進を行ってまいります。さらには、安曇野市交通安全推進協議会を構成する関係機関・団体との連携によりまして、一層の啓発並びに推進を図ってまいる所存であります。 なお、危険箇所の見える化というお話でございましたが、重大事故を除きまして、自転車事故の場所については把握しておりませんが、教育委員会では、通学路の危険箇所を把握し、通学路安全マップを作成し、学校・警察署・消防署・各区等に配付しております。また、市のホームページでも公開している状況であります。 以上であります。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。     (都市建設部長 西沢 剛 登壇) ◎都市建設部長(西沢剛) 議員の御質問にお答えします。 自転車が安全に通行できるハード対策としましては、自転車歩行者道や自転車専用通行帯の整備、また車道混在で矢羽根の路面表示などが挙げられます。 市内全ての危険箇所を把握しているわけではございませんが、自転車などの安全対策が最も優先されるのは、通学路に指定された道路と考えております。通学路などで危険性がある道路施設に関しましては、警察署、地区役員、小・中学校、交通安全協会、県、市などの関係者で、通学路の合同点検を実施することで危険箇所を把握し、歩行者や自転車目線で安全を確保するための対策を実施している状況であります。 また、自転車利用者やドライバーが安全に通行できるハード対策として、注意を促すための路面表示などにより対応してまいります。 議員から御提案をいただきました別コースへの回避につきましては、自転車の安全性を確保するためにどのような対応ができるか、通学路合同点検の中で対応させていただきます。 今後も自転車が安全に通行し、また、歩行者の安全も確保することで、安全・安心な道路整備を推進してまいります。 以上であります。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) ちょっと1点、確認をさせていただきたいんですけれども、通学路などの合同点検をする中に、自転車で走るとしたら危険ではないかと、そういった観点も、これまで入っていたのか、これからまた入れていくのか。そのあたりはどうでしょうか。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。 ◎都市建設部長(西沢剛) 通学路につきましては、中学生の場合、歩いて通学する皆さんと自転車で通学する皆さんがあるということで、基本的には両方の目線で見ていたということでありますけれども、議員の提案がありましたので、改めて両方の目線でしっかりと検討していきたいということであります。 ○議長(召田義人) 小林陽子議員。 ◆1番(小林陽子) そうですね、自転車で通学するのは中学生ということで、それも入っているということでよろしいですね。 まず、子供の通学路は安全に配慮しなければいけませんので、第一に、今やっている合同点検の中で危険箇所もしっかり把握して、それを知らせていただくということにもぜひ周知をしていただければと思います。 また、先ほど市長から取り組みの中で、サイクルツーリズムですとか、観光に生かすといったお話もありました。少し飛びますけれども、こういった整備というのは、本当に市単独ではなくて、県や周りの自治体とも連携してやっていくという必要もあると思いますので、ぜひそういった連携もしながら整備を進めていただければと思います。 実際に、サイクルツーリズムということでは、毎年4月・5月に開催されるアルプスあづみのセンチュリーライドという催し物があります。これは数千人のライダーの方が自転車で安曇野を走り抜けていくという、大変大人気のイベントということになっています。ですが、やはり市民にとっての自転車を活用したまちづくりというのであれば、安全性は欠かせないものであると思います。さらに、観光の方にも安心して利用していただけるように、一緒に整備をしていただければと思います。 先日の中学生議会で中学生の議員の方が、自転車を活用したまちづくりの提言を行ったかと思います。その中で、中学生とその保護者にアンケートをとったところ、過半数がこの自転車を活用したまちづくりという施策自体を知らないということでした。それで、今回、もう少し活用をするために必要なこと、市民の方との意識の遠い部分ですね、そこをどうしたらいいのかと思いまして取り上げました。 センチュリーライドに象徴されるように、都会の人が来て楽しむというだけではなくて、市民のためのまちづくり、そして、健康増進、健康づくり、さらには人づくりとなるように、この施策、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 以上で一般質問を終わりにします。 ○議長(召田義人) ここで昼食のため暫時休憩をいたします。 再開時間は午後1時からといたします。                             (午前11時51分)--------------------------------------- ○議長(召田義人) 休憩前に引き続き一般質問を行います。 この際申し上げます。 内川集雄議員より、本日午後の会議を欠席する旨の届けがありましたので御報告申し上げます。                              (午後1時00分)--------------------------------------- △松枝功 ○議長(召田義人) それでは、一般質問を再開いたします。 9番、松枝 功議員。持ち時間は30分以内といたします。 松枝議員。     (9番 松枝 功 登壇) ◆9番(松枝功) 9番、松枝 功です。 それでは、通告に従いまして一般質問を申し上げます。 たびたびで恐縮ですが、地域高規格道路松本糸魚川連絡道路、以降松糸道路と申し上げますけれども、これについて、まずお聞きしたいと思います。 私は、一時膠着状況に陥り、先行きが危ぶまれた松糸道路の建設の動きが、ここに来て順調に前に進み出したように感じています。 事業主体である長野県が、松糸道路安曇野市内の新設区間について、地域の声に配慮した結果として説明会を開き、公開の場で多くの市民、住民の声を聞き、意向を尊重しながらルート帯を絞り込むという作業が進んでいます。 これまでに、広く市民を対象とした説明会が4回開かれています。前回、9月定例会での市の取り組みを促す私の一般質問の後に、その後、9月8日の第3回、12月1日の第4回と、2回説明会が開かれました。第3回の説明会では、松糸道路の必要性が参加者の中で確認されました。大きな転機となったと思います。 これまでさまざまな説明会等で噴出し、前に進みにくい状況を何かつくり出していた、果たして道路自体が必要なのか、必要ではないのではないかという、私がたびたび申し上げてきたそもそも論に、明確に必要だと決着がついたということ、大きな転機だと思います。 そして、先日、12月1日の第4回の説明会には、この必要性の確認を受けて、県が4つのルート帯案を提示しました。以前から話題となっていたAルート・Bルートに安曇野インターチェンジ起点ルート、そしてCルート案が加わった4つです。 今回の説明会では、それぞれの案について大変わかりやすい形で示されたというのが大変よかったと感じています。以前のさまざまな説明会で私たちに示されたのは、既成の地図上にルート帯案を色づけした帯で示したものでしたので、どうも具体的なイメージが湧いてこない。市民の皆さんに何か巨大なものが忽然とあらわれるような不安感が先行してしまうのも無理のないことでした。 ところが、今回の説明会では、県もかなりお金をかけたと思いますが、最先端のICTや映像技術を駆使していただき、参加した私たちに、より視覚的に具体的なイメージの湧く、なるほどと胸に落ちるような説明をいただいたと思っております。 そして、今回の4つのルート帯案それぞれには、地域の利便性や技術面を考慮した上で、建設が予想される乗りおりのできる場所、高速道路でいえばインターチェンジです。高規格ではランプと言うようですが、これも示されています。 先行きが不透明だった松糸道路が、必要な道路と認知され、いよいよ近くを通りそうだとなると、やはり市民の皆さんが考えることは、自分たちの生活がどう変わっていくのか。どうよくなっていくかという点だと思います。近くに乗りおりの場所、ランプができて、高速道路に直結する無料の高規格道路にすぐ乗れるとなると、市民の生活は大きく変わる可能性があります。そして、ランプ周辺では、開発の可能性への期待も高まります。 ここで、まず、宮澤市長にお聞きしたいと思います。 残念ながら御事情があって市長には御出席いただけなかったわけですが、これらの市民説明会の状況、また、松糸道路を取り巻く直近、今の状況について、どのように捉え、今後どのように対応されていくのかお聞きしたいと思います。お願いします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 松枝議員の質問にお答えをさせていただきたいと思います。 第3回の説明会においては、議員御指摘のとおり、安曇野市のまちづくりにおける必要性を説明し、さまざまな意見が出されたところでございますが、道路の必要性については御理解をいただけたものと判断をいたしております。 このことから、12月1日に第4回目の説明会を開催して、県から複数ルートの提示と、4本のルートを比較評価をする上での評価項目について説明がなされたところであります。参加者の皆さんからは、防災面を評価項目に追加するよう強く要望が出されたというように報告を受けておりますし、また、県は、次の説明会に向けて検討する意向であるというように伺っております。 今回の説明会では、主にルート帯案、そして評価項目の内容や、評価方法について、参加者の皆さんから御意見をいただいたところでございます。また、松糸道路の建設に向けては、おおむね建設的な御意見をいただいておりまして、県からは評価項目に沿った比較評価を進めていくというように聞いております。 私といたしましては、松糸道路につきましては、広域連携の一翼を担う道路として、大変重要なだけでなく、市内の道路交通網の整備、また、産業、観光振興に寄与して、安曇野市の将来のまちづくりに必要不可欠な道路であるというように認識をいたしているところであります。 このことから、今後も説明会の中で市民の皆さん方と活発な意見交換を重ねていただきながら、市民の皆様方の理解と協力が得られて、市にとっても最適なルート帯が決定されるように、県と連携を密にしながら対応してまいりたいというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 私、何回かになるんですけれども、きょうは何か非常に前向きな市長のお答えをまずいただけたと思っております。よろしくお願いします。 ただ、おおむね建設的な意見が多かったということなんですが、ただ、今回県が示された4つのルート帯案の中には、残念ながらBルートも含まれております。御承知のとおり、このBルートに対しては、関係する地元住民の皆さんから、明確で揺るぎない反対の意思表示があり、誰もが実現の可能性のないルート案だと思うものです。 そもそも、県がこのような白紙に戻しての説明会開催までに及ばざるを得なかった理由は、地域の気持ちを軽んじて安易にBルートを最善だと提示したことから始まっています。そして、12月1日の説明会でも、Bルート反対期成同盟会の方々から改めて強い反対の意思表示がありました。 ただ、私が最も不安に感じたのは、この反対同盟の方々の発言ではなく、この反対の声に対する他の地域の方々から出た、明科地域の住民は安曇野市の発展につながる話にいつも反対し、事壊しにするといったたぐいの発言です。当日は、明科地域の複数の若い方からも、道路建設に賛成の立場で前向きな検討を進めてほしいとの発言がありました。この発言が、明科地域の皆さんの思いであり、今後の説明会に臨む姿勢でもあるのですが、どうしてもそこにBルートが絡んできますと、なかなかうまく進みません。合理的で冷静な議論が進まないのではないか、他の地域の方々からの誤解が深まってしまうのではないかと私は危惧します。 ここで、宮澤市長にお願いしたいのですが、県に今後のルート帯案をより合理的に、冷静に筋の通る形で進めるためにも、早目にBルート案を削除していただくよう働きかけていただけないでしょうか。どうでしょう。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) Bルート帯案についてでございますが、これは、過去において、県における検討経過から複数案の一つになり得ると、県が説明を行っているところでございます。したがいまして、Bルート帯案も比較に必要な一つの案と捉える中で、他のルート帯案と同じように比較評価を行って、最適なルート帯を選定していくことになります。 県からは、Bルート帯につきまして、今回提示をされた他の3本のルートと同じように比較評価をするとともに、それぞれ市民の皆様方から寄せられた御意見などを踏まえ、総合的に判断をするものと伺っております。 私は、当初からできる限り優良農地を潰さないように、また、できる限り集落を分断しないように、そして、高瀬川右岸道路の活用を、と主張してまいったところでございます。何事も賛否両論あることは承知をいたしておりますが、市民説明会や、意見交換の場を通じて一定の方向が出されるものと期待をいたしております。 なお、松枝議員御指摘のとおり、市民の中にはいろいろな意見がありますから、必ずしも全てが私は明科の皆さんが反対をしているというようには捉えておりません。ただ、いろいろな意見を言う方の中には、自分のところの土地は潰したくない、集落は分断させたくない、自分のところのBルートはいけないけれども、他のルートならいいというようなことに矛盾を感じている皆さんも、少なかれいるのではないかというようには捉えております。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 最後のところ、ちょっと引っかかりますね。 それで、少し反論申し上げたいんですが、公平さを求められる。公のところでそれは結構です。ただ、くれぐれも御注意いただきたいことがあります。12月1日、この間の説明会でのAルート案についての県からの説明です。御承知のように、Aルートは三川合流部を通過しますが、平成23年当時からのこれまでの説明では、この三川合流部を渡る橋をつくろうとしても、支持できる岩盤が深くて、ピア、橋脚ですが、が立たないから、普通の橋はだめだと。大きなつり橋なら可能かもしれないが、途方もないお金がかかって、Aルートの実現性は乏しいといったものでした。 ところが、今回12月1日の説明では、三川合流部の河川内で地質調査を行ったと。そうしたら、確かに岩盤は深かったけれども、その上に堆積したれき層に橋台を建設できる支持力が確認できたとの説明です。つまり、調べたら、橋の建設もそれほど難しくないとわかったので、Aルートも建設可能とし、4つの案の一つとして公平に比較検討することとなったという説明でした。筋は通りますけれども。 ここでよく注意していただきたい。以前に戻っていただきたいんですが、問題のBルート案はなぜ生まれたのか。三川合流部を渡るAルートの実現は、橋の支持層がなくて実現は不可能に近い、無理だ。そこで、まさにこの判断、論理から、Aルートにかわるものとして、三川合流部を迂回するBルートが最善のルートとして考案されたというのが私の認識です。そして、地元にも地域や農地を分断するかもしれないが、やむを得ないので協力してほしいとの一点張りの説明で県は押し通してきました。もしBルートが考案される前に、今回のような三川合流部の河川内できちんとした地質調査が行われていたらどうだったでしょうか。 私は、平成28年3月議会の一般質問で、このときはもうBルートの発表があった後ではありましたが、まだ間に合うんじゃないかとの思いから、当時、松糸道路に関して3,000万円の調査費が県についたとき、本当にAルートがだめなのか、ぜひ河川内で地質調査を行うなどの研究・検討を進めるよう県に要請してほしいと宮澤市長にお願いいたしました。覚えておいでかどうか。あのときに、今回のように具体的な河川内での地質調査が行われていたらと思うと、本当に残念でなりません。 そして、実現不可能と思われていたAルート案の代替案として生まれたBルート案が、Aルートの建設が可能と判断された今に至っても、引き続き同じテーブル上で公平さが大事だ、みんな一緒だといって比較検討されるというのは、私には筋が通るようには思えません。 もう一度宮澤市長にお尋ねします。十分御承知のこととは思いましたが、Bルートにかかわるこれまでの経緯等を改めて申し上げました。このことを踏まえて、代替案が出てきたんです。Bルート案については、比較検討のテーブルから早目におろしていただくよう県に御要請いただけないか、改めてお尋ねいたします。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) いずれにしても、これは県が事業主体ということがありまして、私どもとしては、紆余曲折はありましたが、市民の皆さん方からいろいろな要望を聞いて、そういうものを取りまとめて、項目ごとに県のほうへ再要望をさせていただきました。この結果、長谷川部長のほうから、その要望に対しては重く受けとめるというお答えをいただいて、それから大きく前進をしてきたというように捉えております。 したがって、私どもとしても、最初から地質調査をするべきだと、そしてその結果も報告をいただいてございません。そのころ、恐らく地質調査はしていなかったと思います。明科周辺の皆さんや、穂高の皆さんからお聞きすると、あそこは昔から恐らく岩盤がしっかりしているので、橋脚を立てても地下水等には影響しないんじゃないかというような推測の話はお聞きをいたしておりました。したがって、県は、市民の皆さんの意見や市からの要望を踏まえて、今回のような4ルートを示されたということだというように思っております。 ただ、最初に、斜張橋をつくると、白鳥がけがをするというような話が出たと、このこともいまだに尾を引いている課題でございます。白鳥の命と人命とどっちが大切だというようなこともまだ言われている状況が続いております。したがって、市としては、地元の要望をしっかり県にお伝えをする中で、県のほうも大きく市の意向というか、市民の皆さんの意向を取り入れた結果、今回のような提案がなされたということだと思います。 当初は、橋を2本かけることによって、財政的に100億円くらい余計にかかる。財政面からも主張をされておりました。今回のいろいろな案を見るに、余り財政面、国との調整がどうなっていくかわかりません。国が2分の1の財政支援をするということでございますので、国や、あるいは河川管理者との調整というのはこれから必要になってこようかと思いますが、いずれにしても市としては、議会も含めて促進期成同盟会に加盟をして促進をしてきた立場もございます。そして、これからのまちづくりに向けての構想もいろいろと考えていかなければならない。議会のほうからも議員連盟を結成していただきました。お互いに連携をしながら、この松糸道路の促進に向けて県ともしっかり話し合いをさせていただき、よりよい方向、市民の皆さんの理解と協力が得られる方向に持っていかなければならないという思いでございますので、ぜひまた松枝議員からも大所高所からの御支援・御協力をお願いを申し上げる次第でございます。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 最後はまたよくわからなくなってしまうんですけれども、私も市が県に提案して、ここまで歯車が戻ってきましたので、余りいろいろ言ってはいけないと思っています。ただ、やっぱりBルートがこういう形で生まれたということを皆さんよくおわかりいただいて、やっぱり真摯な議論をしていただきたい。そうすれば、おのずからBルートも当然落ちてくる。最初に落ちてくるはずなんですけれども、この辺の経過についてはよく御承知いただきたいということで、今回改めて申し上げました。よろしくお願いします。 それでは、次の質問に入らせていただきます。 「定時定路線バス運行に向け積極的な取り組みを」と題しての質問であります。 去る11月23日にこの市庁舎4階会議室において、市バスの実現を考える講演会が開催されました。任意の実行委員会が開催した講演会で、それほど広報があったわけではありませんが、140名ほどの市民の参加があり、この市バスの実現という課題への関心の高さが感じられました。 この市バス、市内巡回バスの必要なこと、実現を訴える声は、確かに高まっていると私も感じます。市議会においても、これまで多くの議員が一般質問などで取り上げ、市に対応を訴えてきましたが、なかなか前に進んでいるようには見えません。 必要性については認識されていると思いますし、しっかり着実に取り組んでいるとは思いますが、実際、実現するには課題が多過ぎる、ハードルが高過ぎるということでしょうか。 今回の一般質問において、私は、市民の皆さんの負託に応えるため、行政の皆さんと知恵を出し合って、高いハードルを少し下げて、一歩でも前へ進めたいとの思いでこの課題を取り上げました。なお、私は、市バスというくくりでは何か広過ぎて、どのようなものなのかイメージが固まりません。目指すものの姿が絞り込めず、議論が深まらないのではないかと思い、定時定路線バスという言葉でくくっての質問とさせていただきます。 定時定路線バスと私が申し上げるものは、少しイメージしていただきたいんですが、自宅近くのバス停に行けば、決まった時刻にやや小ぢんまりとしたバスが来て、それに乗れば最寄りの駅や病院まで連れていってくれる。さらに、路線が多くあり、バスを乗りかえれば、多少遠くの目的地までも行ける。このようなバスが、市内を朝から夕方まで、または夜まで何本も走っている。このような姿・システムを定時定路線バスと考えていただきたい。 ここで、宮澤市長にまずお尋ねいたします。 この定時定路線バス、実現を求める市民の皆さんの声の高まりは、市長も御理解いただいていると思います。ただ、この高まりの原点には、私たちを取り巻く社会情勢の変化がかかわっているように思います。安曇野市においても、残念ですが人口減少が確実に進みます。その中、市長が進める健康長寿のまちづくりの成果として、市内各地域には元気で活動的なお年寄りがふえてきています。今後、ますますふえるでしょう。先ほどの政策部長の話ですと42%でしたっけ、2040年には。半分近い方々が高齢者となっている。そういう時代を迎えます。 ただ、そういう気持ち的には元気な方々がふえても、運動機能の衰えに伴い、運転免許、よく言われますね。運転免許、いつかは返納しなくてはならず、返納された方々は、外出や活動範囲が制約されることとなり、このような方々には、何とか自由に行動したいという要求、具体的には、公共交通の充実に対する要求がいや応なしに高まるでしょう。 確かに、市には、公共交通の手段として、他の自治体に先駆けて整備されたデマンド運行のあづみんがありますが、元気で活動的なお年寄りの皆さんの中には、予約という縛りや、運転手さんとの近さを逆に嫌う方もいらっしゃるように聞きます。その点、定時定路線バスは、機械的に淡々と運行されるバスに勝手に乗るパターンですので、煩わしいといったらあれですけれども、縛りもなく、自由にあっさりと使えてよいという方も多いかと思います。 子供たちにとっても、小・中学生もそうですが、特に活発に飛び回りたいけれども、手だてがないとふさいでいる高校生にとっては、定時定路線バスは活動範囲を飛躍的に広げられるものになるでしょう。 また、子供たちが、自分たちでみずから動ける仕組みですから、今、送迎などに腐心しているお母さん方にとっても朗報となるに違いありません。そして結果として、お母さん方、女性の社会進出も進むはずです。 このように、定時定路線バスに対して時代の要請は高まっていると思います。 宮澤市長。市長は、このような社会情勢の変化の中で膨らんできた公共交通の充実、定時路線バスの実現への市民の声をどう捉えているのか、これからどう対処されていくのか、まずお聞かせください。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) まず、市では、高齢者を初めとする交通弱者の移動手段を確保するためということで、合併当時からデマンド交通あづみんを、平成19年からでございますが、運行を開始しているところでございまして、12年が経過いたしました。市内全域をカバーする公共交通として、年間8万6,000人余りの方に、延べでございますが利用されている。そして3月には、利用者数が延べで100万人を超えたというように報告を受けております。 この中では、報告を受けている中で、平成31年3月31日、本年でございますが、死亡者であるとか転出者を含めて、3万1,889人の皆さんが登録をされている。登録をされている中で、実際利用されている皆さんが2,427人だということでございまして、これは平成30年度に1回以上利用された方が2,427人。ですから、年間8万6,000人というのは、多くの2,427人の方のうち、何回か1日のうちに利用されている皆さんや、ほとんど毎日利用されている皆さんが多く含まれているんではないかなと推測ができます。 多くの方に利用されているあづみんでございますが、乗り合い制であるために、一定の制約の中で運行しておりまして、市民の皆さん方からさまざまな意見・要望を頂戴いたしているところでございます。特にお聞きする要望としては、「時間が正確でない。土日にも運行してほしい。予約乗り合いの乗り継ぎが面倒である。早朝、夕方も運行してほしい。通勤・通学時間帯に使えるバスが欲しい。誰もが使える循環バスを走らせてほしい。」さまざまな要望が出されているところでございます。 こういった声の中で、本年7月に市民団体の皆さんからあづみんを補完する交通手段として、市バスの早期運行を求める要望書が提出されたところでございます。こうした要望に対しまして、現在市では、地域公共交通協議会に部会を設置させていただいて、あづみんの利便性の向上、さらに、定時定路線バスなど、あづみんを補完する移動手段について検討を始めたところでございます。 公共交通の充実につきましては、優先順位がある面では非常に高い施策であると認識をいたしておりますが、やはり限られた財源の中で、一定の受益者負担をいただかなければならないというように考えておりまして、いかに利便性の高い公共交通網を形成するかということが重要な課題となってまいります。 要望の趣旨は理解をするところでございますが、一度制度化しますと、後戻りできない市民サービスでありますので、協議会において、今後慎重に検討を進めてまいりたいというように考えております。また、池田町であるとか、松本市等とも連携のあり方などについて研究をしてまいりたいというように考えております。 ただし、デマンドも定時定路線も、両立をさせるということは理想ではありますけれども、大変困難であるというように捉えておりますので、できる限り利用者の皆さん方の利便性向上に向けても検討をしてまいりたいというように思っております。 利用者の中には、30分、1時間待たされたというような話もございましたが、実際運行をしている上で、そんなには待たせていないというお話も伺っております。具体的に運転手さんにお聞きすると、大きな音でテレビをつけていたり、幾らピンポン鳴らしても相手に通じなかったり、あるいはこたつにいて、立ち上がって自動車のところに来るまでには3分や5分かかってしまうと。そういうことが3軒、4軒続けば、どうしても15分、20分はおくれることはあり得る。鉄路と違いますので、信号機にかかるとか、あるいは渋滞に遭遇するとか、あるいは相手方の都合によって時間のずれることは、ある程度理解をいただかなければ成り立っていかないというように私は考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 私も大体市長と同じ考えなんですが、あづみんの成果については十分私も承知をしているつもりです。ただ、12年たって、デマンドを残した上で、やっぱりプラスアルファのものが今の社会で求められているからどうにかしなくちゃいけないんじゃないか、それに応えなくちゃいけないじゃないですかということに絞って、お話を進めさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。 今回は、定時定路線バスの実現に向けて、できたら方法論まで踏み込んだ質問とさせていただきたいと思います。プラスアルファの部分の議論をするんですが、方法論まで踏み込んだ質問とさせていただきたいと思っています。 まず、担当の政策部長に、前提として、私の申し上げた定時定路線バスの姿に限らず、市内において現在までバス運行に向けた取り組みはなかなか進まない。申しわけありませんが、私にはなかなか進まないと感じられますので、進まない要因をお尋ねしたいと思います。 3年ほど前から、前部長さん含めて一般質問等において何回か御答弁はいただいておりますけれども、改めて整理したいということでお聞きしたいと思います。なかなか進まない要因についてお願いします。 ○議長(召田義人) 上條政策部長。     (政策部長 上條芳敬 登壇) ◎政策部長(上條芳敬) それでは、お答えいたします。 市内の公共交通の変遷を見たときに、旧町村時代にあっては、豊科町・堀金村・明科町でコミュニティバスやデマンド型の乗り合いタクシーが運行されていました。一方、穂高町・三郷村は、公共交通としての運行はございませんでした。また、当時の運行においても、利用者が低迷するなどの実態が生じておりました。 こうした状況の中で、議員も御承知のとおりでございます地域間の交流や連携を推進する新たな公共交通システムの構築、新市において解決すべき重要な課題の一つとして、合併以前よりその動向が注目をされておりました。 ただいま議員から取り組みが進んでいないのではないかという御指摘をいただきましたが、それだけ簡単に後戻りのすることのできない、リスクの大きな事業であるという認識を持っております。また、安曇野市の公共交通システム、あくまでもデマンド交通、あづみんが基本でございます。これまで利便性の向上を図るために、昨年10月には一部運行の見直しを行うなど、鋭意取り組んできたところであります。 ただし、議員御指摘のとおり、運行から10年以上が経過をいたしました。時代の流れに応じた市民の生活の足、先ほども高齢化率の話がございました。2040年度高齢化率41%というように推計値が出ておるところでございますけれども、こういった誰もが気軽に利用することができる公共交通を求めて市民の皆さんから巡回バス導入の要望があることは受けとめなければならないと思っております。 そのために、現在、あづみんを補完する公共交通手段、あくまでも補完でございます。補完する交通手段として、巡回バス導入の可能性を、本年度も地域公共交通協議会の中に部会を設けて検討を進めているということでございます。公共交通、これは市民の生活、また、まちづくりと一緒に成熟をしていくものであろうと考えております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) なかなか巡回バスというんですか、バスが進まない理由をお聞きしたんですが、やっぱり市としてはあづみんが基本だという、そういう認識がある。そういうことですかね。 私も、ですから先ほど言ったように、あづみんと併用した形で進めていただきたい。ただ、あづみんを補完するものとして定時定路線のバスがあるのではなくて、私はこれからの社会というのは逆に定時定路線バスが主体であって、そこをうまく補完して、あづみんが動いてくれる姿が一番望ましいんじゃないかと思っています。これからの議論です。 11月23日の講演会では、講師の愛知大学の可児先生から、「交通は、人間が生きていくための権利、基本的人権と考える」とのお話がありましたが、私は、権利主張したいとまでは考えませんが、確かに今までも話がありますが、年をとっても日常の生活を支えてくれて、安心して日々を送れるような、交通の利便が担保される社会であってほしいとは誰もが思います。 私たちにとって豊かな公共交通の整備というものは、医療保険や介護保険制度のような老後を支える社会保障の制度の一つとして捉える時代に入ってきているのではないか。地方の自治体にとって豊かな公共交通の形成は、まちづくりに不可欠な社会保障の施策として進めるべき時代に入ったのではないかと考えています。 さて、先日、今も話にありましたが、6日の代表質問の答弁で、政策部長は、定時定路線バス導入の対応は、後戻りできないものだと話されていますが、私はまさに私の意図するところ、将来のまちづくりに不可欠な施策、社会保障の施策ときちんと捉えていただいての発言だと感じましたが、今のお話を聞くと、リスクがあると。後戻りができないということは、一遍取り組んでしまうともう後に戻れない、それだけリスクが大きいというお話だったわけです。少し残念な思いはありますけれども、私は、改めてこれだけ必要であって、やはり求められているものを、行政はリスクがあってもやらざるを得ない場面が数あるわけです。それを乗り越えてこそ行政が成り立つわけですので、政策部長、もうちょっとお願いしたいんですけれども、今後、定時定路線バスを将来のまちづくりに、デマンドとのかかわりを含めてで結構ですけれども、どのように位置づけ、実現に向けて、全く対応しないのか、対応していくのか、お考えをお聞かせください。 ○議長(召田義人) 上條政策部長。 ◎政策部長(上條芳敬) 次にいただいた質問ということでもよろしいかと思いますけれども、市も地域公共交通の構築、これは行政の一定の役割であるということは十分認識をしているところであります。加えて、近年多発する高齢者の交通事故、また、運転免許証の返納、身近な交通手段の需要といった社会現象から、行政に求める交通施策への要望、これは年々高まっていくだろうということは、もう想定の域でございます。 もとより、民間ベースで採算を議論するような考え方は持っておりませんし、費用対効果だけで全てを判断するべき事業ではないということも思っております。これは以前も答弁をさせていただいたところでございますけれども、議員御発言の社会保障ということでございますが、私はそこまで深く理解をまだできておりません。その是非はお答えできないところでありますけれども、少なくとも安曇野市は、総合計画に基づきまして財政部とも連携を図りながら、計画と予算の両面から健全な市政運営、まちづくりを進めていると思っております。そこには、当然のことながら、スクラップアンドビルドの考え方、また、受益者負担の必要性というものは正論としてあるだろうと捉えております。 新たな財源の発動ということになるわけでございます。その市の方向性につきましては、やはり慎重に見きわめていく必要があるでしょうというふうに思っております。 以上です。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 市長からも財源の問題、やっぱり大きく立ちはだかるものはそこにあるだろうと、それがあるからなかなか前へ進まないという感じはします。 そこで、次に財政部長にお聞きしたいと思います。 定時定路線バスの実現にとって、大きなハードルとなるのは、システム構築のための車両の導入などのハード面、また、運行を維持するためのソフト面で必要となる多額の費用です。財源はどうするのか。 市は、現在も現行のあづみんの運行に年間1億円を上回る財源を投じているわけですが、定時定路線バスを運行するとなると、恐らくそれを上回る財源、はるかに上回るかもしれません。財源が必要になってくるものと思います。多くの自治体が既に取り組んでいる施策ですので、国の支援も期待できるとは思いますが、それは今後の研究課題であります。 いずれにしましても、市は自前の相当な一般財源を用立てる必要があります。これをどうするのか、踏み込んで御提案申し上げますが、この際、ふるさと寄附金を充当できないか、どうでしょうかということです。 ふるさと寄附金は、一般財源ではありますが、市税などとは異なり、活用の方法、充当先は限定すべきもの、慎重に扱うべきとは考えますが、定時定路線バスは、時代が要請する市民の日常に不可欠な公共交通であり、また、市を訪れた方々、観光客ももちろん使える利便を享受できるものですから、寄附された方々の意に反するものではないと思います。 ただ、今はまだ形が見えてこない状況、全く進まない状況なので、来年度からすぐに必要となるものではありませんが、これからシステムを構築していく担当部局にとっては、当初全く財源の見込みがない状態で進めるのか、いわゆる財源がある程度担保されるような状況を認識した上で進めるのかでは、随分とでき上がってくるものも違うように見えます。 上條部長がなかなかやらない、財源をどうするんだという話がありましたけれども、やはりそこで財源の担保がある程度見えてくると、多少上條部長の姿勢も変わってくるのかなと思うわけです。これをぜひ財政部長に、ふるさと寄附所管の定時定路線バス実現のために、ふるさと寄附金の活用をすること、これの是非について財政部長に御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(召田義人) 百瀬財政部長。     (財政部長 百瀬秀樹 登壇) ◎財政部長(百瀬秀樹) バス運行に係る財源に関する所見は、ということで御質問いただきました。 まず、公共交通の維持管理経費につきましての性格でございますけれども、その性格上、毎年一定の歳出規模を必要とする経常的な経費ということになるかと思います。したがいまして、その財源につきましても、経常的かつ安定的な財源をもって確保することが重要であるというふうに考えております。 その意味では、ふるさと寄附金など歳入規模の見通しが困難な財源は、維持管理経費には積極的に活用すべきものではない。少なくとも、理想的な状況ではないと考えているところであります。 また、当市の財政状況に鑑みて申し上げますと、当市の財政構造は、経常収支比率という指標で見ることができますが、財政構造の弾力性を示す経常収支比率の変遷を見た場合、85%前後の高い水準で緩やかに右肩上がりに上昇しておりまして、経常的収入の大幅な改善、あるいは経常的支出の大幅な削減を行わない限り、新たな財政需要の対応は困難な状況にあるということがうかがえます。 また、一方、将来に向けまして、中期的な財政試算であります安曇野市財政計画では、今後、消費税増税に伴う地方消費税交付金の増の一方で、人口減少、あるいは合併算定がえの終了に伴う、市税や地方交付税の減などによりまして、今後、経常的な一般財源の減少が見込まれるところでございます。また、逆に歳出面におきましては、会計年度任用職員制度の導入、あるいは公債費負担の累増など、経常的な支出の増が見込まれておりまして、大変厳しい財政運営を予測しているところでございます。 したがいまして、新たな財政需要を伴う事業の実施に当たりましては、仮に公共性や公益性が著しく高い事業であったとしても、公費負担とすべき部分、あるいは受益者負担とすべき部分の整理など、しっかりとした制度設計を行う必要があり、慎重な対応が求められるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 確かに経常的、安定的な財源、ふるさと寄附は、どちらかというと、確かにそれは疑問な部分がどうしても出てまいります。ただ、中小自治体も一生懸命取り組んでいるところがあるんです。ところがそれが破綻しているわけでもないし、なぜできるんだろうと、実は私考えているんです。 きょうはふるさと寄附金の提案をいたしましたが、実は特別交付税等についてもこれから少し勉強してまいりたい。そうでないと、『やっぱりお金がないからできないよ』では、これは行政として十分な対応とは言えないと思いますのでお考えいただきたいです。 それともう一つ、ハードルの高さということを申し上げたんですけれども、もう一つ大きなハードルがあると思うんです。それは、市内で全く新しい、今のところ仕組みがないと部長はおっしゃるかもしれないけれども、やっぱりデマンドが十分ではないから、やらざるを得ない、将来的には。 そうしたシステムをつくるときに、一から全く新しいシステムを市内につくる。それは大変なことです、容易ではない。私も十分理解はしています。バス車両の確保、拠点や車庫の整備、運転手など人材の確保、路線の構築、バス停の整備などを考えると、これをほとんど一から始めるわけですから、それはそれは大変です。この途方もないシステムを立ち上げなくてはならないという重責こそ、これも最も高いハードルではないかと私も思います。 定時定路線バスをやってほしいという市民の声は高まる一方、そして議会もどうだ、どうだ、早くやれと大勢で迫ってくるわけです。行政マンとは大変な仕事だと私もつくづく感じます。 ここで、そうは言ってもそのまま通過しちゃうわけにいきません。大変恐縮ですが、私の経験談を1つ、目からうろこの話になればいいのですが、御披露申し上げたいと思います。 私は、市の北端、明科南陸郷の小泉というところに住まっておりますが、2年ほど前のことです。夕方7時過ぎだったと思いますが、私のことですので少し御酒をいただいて、車の運転もできず、帰宅するために明科駅前でタクシーを拾おうかとうろうろしていたところ、目の前に生坂村の『いくりん』が北に向けて、私の家の方角に向かってとまっているわけです。それまで私は『いくりん』に乗ったことがありませんでしたので、多少ちゅうちょはしたんですが、勢いもあって「お願いします」と乗り込みました。結果、無事自宅近くのバス停まで運んでいただいたわけですが、このとき、『いくりん』には運転手さんのほかに生坂村の担当職員が利用者の声を聞き取るアンケート調査のために乗り込んでおりました。私も初めて乗せてもらうこと、生坂と明科駅を結ぶ『いくりん』には、私ども安曇野市民を乗せていただいていることに地域住民として、隣人として感謝していることなどを答えさせていただいたのですが、そのときの生坂村の担当者が旧知の若者であったため、やはり勢いで、「どうだ、せっかく明科まで来るなら、いっそのこと田沢を回って日赤まで行かないか」とずうずうしくとも言ってのけました。そうしたら、少し間はあったんですけれども、返ってきたのは、「ああ、いいですねえ。やりますか」という言葉です。あっさりとですよ。びっくりしたというか、彼の答えには温かさを感じてうれしかったんですけれども、この話で物事が進むわけではないんですが、少しのヒントにしていただきたい。 安曇野市が、市内に定時定路線バスのシステムを一から構築するなどということは、それは大変なことです。かといって、手も足も出さないわけにもいきませんから、この際、既にハードもソフトも蓄えている近隣の自治体に御加勢をお願いしたらどうでしょうかということです。 安曇野市には、『いくりん』のほかに、池田町の町営バス、先ほど市長からも話がありましたが、松本にもそうですか、乗り入れています。乗り入れの路線を拡大・拡充していただくお願いをすることになりますが、場合によっては、市北部の一帯をカバーできる路線となる可能性もあります。もちろん南のほうは別に考えなくちゃいけないんですけれども、ある部分をカバーできる可能性があるわけです。相手のあることですので、もちろん初めから『いくりん』を担当する若者のような反応はいただけないかとは思いますが、誠意を尽くしてお願いすれば道は開けるものと思います。 そして、もちろん市は応分の負担、財政出動が必要なんですが、市は応分の負担、相当の負担を覚悟する必要もあります。ですから、財源を当然やはり見つけなくちゃいけないんです。ただ、市が一から自前でシステム全体を構築することを考えたら、随分楽になるはずです。人口減少は、安曇野市に限った課題ではありません。もっと厳しい状況にある自治体も多いわけですが、この課題を乗り越える方策の一つが、広域連携だと言われています。連携せざるを得ない状況にあることも事実です。 続いて、最後に政策部長にお聞きします。 定時定路線バスの実現に向けて後戻りできない状況と確認され、進んでしまえば、それでも進まざるを得ない。その方法論として、広域連携の模索という方向も検討していただくべきではないかと思いますが、その辺のお気持ちをお聞かせください。 ○議長(召田義人) 上條政策部長。 ◎政策部長(上條芳敬) 周辺自治体との広域的な視点ということでありまして、地域住民のための交通ネットワークを構築をすることは、地域の交通事業者にとりましても利点はあると思っております。 県においても、公共交通の広域的な連携の必要性を示しまして、松本地域振興局では、本年度から松本地域の公共交通の市村の枠を超えた広域の交通のあり方ということにつきまして検討を始めています。 近隣自治体からの路線バスの乗り入れでございますが、議員御紹介のとおり生坂村の村営バス『いくりん』、これが明科駅へ1路線、池田町の町営バスが、穂高駅と明科駅へ2路線、それぞれ路線バスが乗り入れておりまして、誰でも料金を支払うことで利用できます。一方で、あづみんも登録をしていただければ、誰でも市内で利用することができるというシステムになっております。 議員御提案の広域的な連携でございますが、生坂村と池田町の路線バス、これにつきましては同一の事業者が運行をしているということで、当市のデマンド交通あづみんや、定時定路線の運行も担っております。また、松本市では、三郷地域に隣接をいたしまして、西部の地域コミュニティバスの路線が走っております。 いずれにいたしましても、安曇野市・国・県・市、それから各交通事業者・運行事業者・市内の関係団体等で安曇野市の地域公共交通協議会組織をしております。広域的な連携につきまして御提案をいただきましたので、協議会のほうへ諮ってまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(召田義人) 松枝議員。 ◆9番(松枝功) 私は今回、定時定路線バスは、これからの市のまちづくりにとって不可欠な社会保障と言い切りましたが、そうなると思います、将来。その施策だと訴えてまいりました。また、人口減少問題に関しては、これまでも人口減少社会は必ずやってくる。人口増加策も大切だけれども、市民が人口減少社会でも豊かだと感じられる社会づくりが重要だと、たびたび申し上げてまいりました。 まさに定時定路線バスは、人口減少社会でも市民が活動を制約される苦しみから解放され、豊かさを実感できるものと捉えて、実現に向けてぜひ行政の皆さんも今後も精一杯の努力をいただきたいと願います。 なお、先日、先進地と言われる木曽町を訪れてお話を聞いてまいりました。定時定路線バスの実現に向けての方法論として、幾つかのヒントもいただきました。ここで特区の話も出てきておりますが、相当額いただいているんです。もしそういったものが具体的に安曇野市も該当になるとすれば、また話は変わってきますので、この辺は申しわけないけれども機会を改め、また具体的な御披露を申し上げたいと思っております。よろしくお願いします。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。--------------------------------------- △林孝彦 ○議長(召田義人) 続いて、4番、林 孝彦議員。持ち時間は20分以内といたします。 林議員。     (4番 林 孝彦 登壇) ◆4番(林孝彦) 4番、林 孝彦でございます。 通告にしたがいまして、一般質問を行います。 豊かな生活環境文化都市安曇野にしていくために頑張ってまいります。 さて、私は、質問項目が3件ございます。 まず1件目の質問事項は、「台風豪雨等での河川の氾濫防止・洪水対策の促進について」でございます。 このたびの台風19号は、長野県を初めとする広い地域に多大な被害をもたらしました。被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方々には哀悼の意を表します。一日も早い復興を切に願っております。 さて、この質問の背景といたしましては、昨今は、気候変動に伴う大規模災害・激甚災害が多発しております。多くの河川が決壊し、東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした台風19号。河川の流域に降った雨が集まり、大水害を起こす流域型洪水が起きていました。激しい雨が降っていなくても、また、雨がやんだあとでも起きうる大洪水です。 今回の台風19号を初めとする幾多の災害を教訓とした台風豪雨等での河川の氾濫防止・洪水対策は、喫緊の課題だと思います。安曇野市全域に目を向けた対策が必要です。防災マップの適切な改訂版はもとより、広域避難が多くなれば、被害軽減の可能性がありますので、自治体の境を超えた避難体制づくりなども重要です。 また、安曇野は、北アルプスの山々から湧き出た清流によってできた扇状地が重なり合った複合扇状地の一番低いところにわさび田湧水群がありますし、多くの人々が住んでいます。そして、この地域には、北アルプスを水源とする犀川・穂高川・高瀬川の三川合流部もあります。ですから、この地域が浸水しないようにする内水対策が必要です。これは、安曇野市の仕事です。 内水対策というのは、洪水のときに河川の水位、これを外水と言いますが、この外水が上昇すると、堤の内側の排水、これを内水と言いますが、この内水の排水ができなくなります。そこで、この内水を強制的に排出するのが内水対策です。 安曇野市は、現在取り組みを進めているとのことですので、早急に進めていただきたいと思います。そして、避難も含め、住民の理解のための周知が必要です。 それでは、具体的に4つの質問を一問一答形式にてさせていただきます。 まず1つ目は、大きな質問です。 台風豪雨等での河川の氾濫防止・洪水対策の促進を要望しますが、目標と取り組みはいかがでしょうか。 それでは、市長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 河川の氾濫防止・洪水対策等については、それぞれ今までも担当部長のほうから答えさせていただいたところでございますが、河川を管理する河川管理者がそれぞれ行うことになっておりまして、市内の犀川・梓川につきましては千曲川河川事務所が、また、その他の一級河川につきましては安曇野建設事務所に担っていただいているところでございます。 千曲川河川事務所では、現在、信濃川水系河川整備計画に基づきまして、計画的な河川整備を実施していただいております。この計画の促進が、一層の安全性の向上につながり、安全・安心の確保につながっていくものと期待をしているところであります。 犀川直轄改修期成同盟会などの要望活動、これは、毎年国土交通省との意見交換会を行うなど、国には機会あるごとに河川整備促進を要望しているところでございますし、また、関係する地区の区長さんや、住民の皆さん方も同行させていただいて、意見交換に参加をさせていただいているところでございます。 河川整備事業は、水害から市民の皆さんの生命・財産を守る根幹的な事業であることから、引き続き国に事業促進を要望をしてまいりたいというように考えております。 なお、具体的な内容につきましては、所管の都市建設部長に答弁をさせます。 以上です。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。     (都市建設部長 西沢 剛 登壇) ◎都市建設部長(西沢剛) それでは、議員の質問にお答えさせていただきます。 千曲川河川事務所で策定しています信濃川水系河川整備計画は、昭和34年8月の洪水や、昭和58年9月の洪水、さらに、平成18年7月洪水などの洪水特性を踏まえ、計画されていると伺っているところであります。 また、犀川上流域で洪水調整機能を確保するため、国土交通省では、高瀬川上流の大町ダム及び高瀬川ダム、七倉ダムの連携により、洪水調整を高める大町ダム等再編事業に平成27年度から実施計画調査に着手し、令和2年度から建設段階へ進むよう調整していると伺っているところであります。 安曇野建設事務所並びに大町建設事務所で管理する高瀬川につきましては、昨年7月の豪雨による出水で、左岸堤防の一部が侵食されましたが、早急に根固めブロックを投入していただき、本年6月には災害復旧工事が完了しているところであります。 高瀬川につきましては、流域市町村で構成する高瀬川高水敷整備促進期成同盟会で、出水時での堤防保護のため、低水護岸整備や高水敷整備を県に要望しているところであります。 このようなことから、国・県では、三川合流部の治水対策として、先ほどお答えしました大町ダム等再編事業や、高瀬川の護岸整備、水の流れを阻害する河川内樹木の伐採をそれぞれの河川管理者が行い、治水安全度を高めているところであります。 万水川の内水対策につきましては、内水氾濫とは、本流の増水や局地的な集中豪雨などの要因により、小規模河川などが本流への排水が困難な場合や、道路などの排水施設や下水道施設の排水能力を超えることにより、道路や建物が浸水することでございます。 御質問いただきました具体的なハード対策・ソフト対策として考えられるものとしまして、ハード対策としては、内水河川の改修などが考えられます。しかしながら、ハード対策のみで絶対安全であるということはありませんので、ソフト対策として、内水被害のシミュレーションによる警戒避難体制の強化などが主な対策として考えられます。 これら対策につきましては、内水被害のシミュレーションに基づき、万水川流域の皆様と検討しているところでございます。年度内には整備方針を決め、関係する地元の皆様へ説明する予定となっております。 引き続き、国・県と連携する中でハード対策・ソフト対策両面から防災・減災対策を計画的に進めてまいります。 以上であります。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 年度内に対策を決めていくということでございますので期待しております。よろしくお願いいたします。 それでは、次に、2つ目の質問です。 台風19号への対応のきちんとした検証と今後に生かす取り組みを要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、安曇野市危機管理課は、先月10月12日の昼の12時に、台風19号に伴い一時避難場所開設のお知らせをメール配信しました。開設場所は、豊科公民館・穂高支所西側別棟・三郷公民館・堀金公民館・明科公民館とのことでした。また、防災行政無線でも呼びかけたのですが、聞き取れない人たちが多かったです。防災ラジオ等で聞くFMラジオ放送や、新メール配信システムなどの情報手段もありますが、十分ではありません。 そこで、たくさんの市民、特に年配の方々にとってNHKテレビの災害情報が重要な情報源になっていますので、安曇野市からそこへの情報提供は迅速になされるべきです。 私は、市民からの問い合わせを受け、当日10月12日夜8時ごろ危機管理課に電話をしました。「NHKテレビには、長野県の各自治体の避難所開設情報がテロップで出ているのに、安曇野市の避難所開設情報が全く出てこないのはどうしてか」という問い合わせでした。市の担当者の答えは、「NHKテレビに載せるような避難所ではない」とのことでした。しかし、その後、夜10時ごろにはその情報が出てきました。安曇野市危機管理課に当日の午後来庁して詰めていた県のリエゾンという職員が、NHKに知らせたとのことでした。 県と職員との連携はもっと円滑に進めていただきたいと思いますし、大勢の市民、特に年配の方々にとって役に立つ情報は、抜かりなく迅速に流していただきたいと思います。 また、市の防災訓練等においては、指定緊急避難場所と指定避難所についての説明はなされてきましたが、今回の一時避難場所は説明されたものではなく、位置づけもわかりませんでした。 指定緊急避難場所は、津波・洪水等災害による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として、住民等が緊急に避難する際の避難先として位置づけるものですが、指定避難所は、災害の危険性があり、避難した住民等が災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在し、または、災害により自宅へ戻れなくなった住民等が一時的に滞在することを目的とした施設です。 今回開設された一時避難場所は、そのどちらでもありませんでした。市の職員が直接運営するということでは、小回りのきく対応ができたと思います。今後も必要な場合には活用できると思いますので、市民には周知徹底していただきたいと思います。その上、今回は、開設場所での対応が異なっていたようですので、どの開設場所においても行き届いた対応ができるように、職員の研修等をしておいていただきたいと思います。 また、長野市消防団は、防災無線やエリアメールだけでは心配で、より危険なことを知らせようと、火の見やぐらの半鐘をたたき続けました。迫りくる危険を知らせて、早期の避難を促すという意味では大きな効果があったそうです。昨今は火の見やぐらも半鐘も撤去されることが多くなってきましたが、文化財的価値だけではなく、防災上の価値ももう一度見直すべきではないでしょうか。保存と活用に向けた前向きな検討をお願いいたします。 このように、台風19号への対応のきちんとした検証と、今後に生かす取り組みが必要です。現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 それでは、総務部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。     (総務部長 金井恒人 登壇) ◎総務部長(金井恒人) それでは、台風19号への市民の皆様への対応について、私のほうからお答えさせていただきます。 今、冒頭、議員さんから御指摘がありました御理解いただけている部分と御理解いただけていない部分がございますので、また改めて御説明させていただきたいと思います。 今回の台風19号でございますが、上陸の3日前から気象庁初め、報道機関によりましての注意喚起、命を守る行動が呼びかけられておりました。過去に経験したことのない強い台風ということが予想されておりました。 こうしたことから、気象情報がたとえ注意報程度であっても、12日の土曜日午後2時から各地域に1カ所の公民館等を利用した一時避難場所を開設することを決定いたしまして、所管課から、区長さんですとか民生委員さんへの連絡を当日行っております。11日です。市民の皆様に向けましては、防災行政無線を通じまして12日の土曜日、正午と午後の2回、自主的な避難者のための一時避難場所の開設についての放送を行ったということでございます。 その後でございますが、気象情報、あるいは洪水等の情報収集に努める中で、雨の峠は越えたと認識している中で、午後8時45分、気象庁から大雨特別警報が発令されまして、Jアラートで市内全域に放送されました。これは御指摘のとおりでございます。 しかし、特別警報が発令されるような天候ではなかったということから、直ちに気象台へ照会しましたところ、筑北村境の一部の地域が警報の対象ということを確認できましたので、午後9時15分に大雨特別警報は市内の一部の地域が対象であり、直ちに避難行動をとる必要はない旨の放送を行ったものでございます。ただ、この放送について、十分行き届いていなかったということは承知しているところでございます。 なお、こうした情報につきましては、防災行政無線以外にもFMラジオ・メール・ツイッター等で提供しておりますけれども、ここで今後必要な取り組みとしましては、御提案ありましたLアラートでの発表を含めまして、市の情報が市民の皆様に伝達できるよう、そういった対応は進めたいと考えております。 それから、今後の検証、今後の取り組みについてでございます。 先ほど申し上げましたとおり、台風19号につきましては、あらかじめ気象庁から進路や天候の情報が出されておりましたので、職員の待機ですとか警戒、あるいは情報収集に当たる体制はつくれていたというふうに認識しております。 また、5地域で開設いたしました一時避難場所についても、自宅にいることに不安を持ったり、あるいは夜間の避難が困難と判断した市民の皆様が、自主的に避難する場所として、特例的な扱いで準備したものであります。この点につきましては、地域の自主防災会議ですとか市の出前講座の中で、災害が迫った場合の避難先は、基本、防災マップに掲載した施設である点を理解していただくよう努める必要があると認識しております。 また、広域避難につきましても、これまでの一般質問、あるいは代表質問の中で答弁したとおりでございますが、対応を進めていきたいということでございます。 続きまして、火の見やぐらの活用についてお答えいたします。 市の火の見やぐらの状況でございますが、市内には、78基の火の見やぐらがございます。このやぐらの本来の目的は、火災の早期発見・消防団の招集・市内への警鐘などの利用になりますけれども、現在そういった利用は行われていないのが実態であります。老朽化した火の見やぐらは、倒壊の危険もございますので、市民、地域の皆様と相談しながら撤去をしていく考えでございます。 それから、報道の件でございます。消防団員としての使命感から、自発的に打鐘を行ったものと聞いております。この行動は、危険と隣り合わせということでございます。たとえ市民の命を守る行動を呼びかけたとはいえましても、消防団員として褒められる行動ではなかったのかなと私は考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 検証に関しましては判断が分かれるところもあるかと思いますが、十分に検証の上、今後に生かしていただければと思います。 それでは、次に3つ目の質問です。 昭和58年台風第10号の際の拾ケ堰への対応に学ぶ洪水・浸水対策を要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、もともと排水路を持たない安曇野地域は、大雨のたびに用水路から水があふれ、被害をもたらしてきました。また、全国的にも珍しいケースですが、一級河川である黒沢川の流末が用水路に流入していることも被害を広域的なものにしてきました。 とりわけ、昭和58年、1983年の台風10号の被害や、平成11年、1999年の梅雨前線の被害は記憶に新しいものです。昭和58年台風第10号は、この年の9月後半に西日本を襲った台風です。長野県でも記録的豪雨となりました。長野県の死傷者53人、被害額は約1,500億円、安曇野地方での作物被害7,600万円、農業施設被害4億700万円、床下浸水88戸、床上浸水20戸、これらは当時の関係5町村ですが、大きな被害をもたらしました。 拾ケ堰は、利水のためだけではなく、流入水を集めて排除する水路、すなわち承水路にもなっています。このとき、拾ケ堰の堤防はまだ土盛りで、大雨によって拾ケ堰の堤防が決壊しそうになりました。当時の堀金村消防団は、消防団長以下団員が必死に活動し、拾ケ堰の水門を開門し、あふれそうな水を万水川に放流し続けました。そして、消防団員は、火の見やぐらの半鐘をたたき続けていました。その結果、拾ケ堰の決壊は防げました。万水川下流では浸水がありましたが、ぎりぎりの判断であったと思います。もしも拾ケ堰が決壊していたら、あたり一面は水浸しになり、大きな湖のようになっていたことでしょう。甚大な被害を被っていたはずです。消防団の勇気と決断は称賛に値しますが、緊急事態での的確な判断と、その責任行動を支える体制の整備が必要なことは言うまでもありません。 この昭和58年台風第10号の教訓から、拾ケ堰の堤防は、土盛りからコンクリートに改修され、黒沢川からの水を受ける安曇野広域排水路も建設されたと聞いております。また、現在、長野県は、黒沢川の調節池、調節のための池ですが、これを今から6年ぐらい先に建設できるそうです。これは、洪水対策に役に立ちます。 なお、現在拾ケ堰は、コンクリートの堤防から漏水がありますので、大雨でも決壊のおそれがないように維持管理が必要です。越水しても耐えられるようにしておかなければなりません。 それから、排水を受ける万水川の適切な管理と、下流域の内水対策が必要であり、避難も含め、住民の理解のための周知が必要です。 それでは、農林部長と総務部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 高嶋農林部長。     (農林部長 高嶋雅俊 登壇) ◎農林部長(高嶋雅俊) 私のほうから、拾ケ堰の機能等についてお話をさせていただきたいと思います。 拾ケ堰については、議員が話されたように、昭和58年9月の台風10号による被害を契機といたしまして、安曇野全体として排水の調整を図るため、広域排水事業が計画され、安曇野排水路等と同様に国営事業により整備をされてきました。従来の用水機能だけでなく、排水機能を備えたものとなっているところです。 国営事業は、平成7年~平成17年まで工事が実施され、平成22年度まで行われた県営事業を含めて抜本的な排水対策が実施されたところです。具体的な機能としましては、水量の調整機能としての堰上げ水門、ウォッチマンゲートと呼ばれているようですが、これが設置され、排水監視システムとして雨量計が4カ所、水位計12カ所、可動カメラ6カ所、固定カメラ2カ所が設置され、これらの情報を排水操作に活用しております。また、一部のゲート4カ所では、遠隔操作により制御できる監視システムが整備されております。 市では、台風等大雨が予想されるときは、土地改良区にあらかじめ取水の中止を要請したり、水門調整機能などの措置を講じていただくよう促して、災害の未然防止を図っているところです。このように、ソフトとハード両面で行っているところでございます。 しかし、広域排水事業により、平成7年に整備された水路・水門等の施設は、二十数年を経過していることにより、ふぐあいが生じる箇所も出てきております。国においては、今年度、国営事業で造成した施設の更新すべき箇所の調査、計画するための事業に着手し、拾ケ堰もこの対象となっております。 市と土地改良区では、それぞれ管理する拾ケ堰と接続する支線水路の補修更新を図るため、現在個別施設計画を策定し、老朽化に対応していきたいと思っております。 市としても、引き続き水門操作等について、土地改良区との連携を図るとともに、国・県、土地改良区とともに国の進める水路等の長寿命化計画に協力しながら施設を維持し、防災対策に取り組んでいきたいと思っております。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。 ◎総務部長(金井恒人) それでは、拾ケ堰について、下流等での氾濫等による避難対策についてお答えさせていただきます。 先ほど、農林部長の答弁にもございましたが、広域排水事業所に設置されている監視システムによりまして、拾ケ堰及びその流入排水路の雨量、また、水位計及びカメラによりまして監視ができる体制ができております。 情報収集に当たりましては、農林部と連携を図り状況把握に努めまして、危険が差し迫っている場合には、市民が適切かつ安全に避難できるよう情報を出していきたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) それでは、1件目の質問事項につきましては以上でございますが、台風豪雨等での河川の氾濫防止・洪水対策の促進が図られるよう、今後とも、ともに頑張ってまいりたいと思います。 次に、2件目の質問事項は、「東西線や環状交差点等の道路建設で安全で利便性の高い街づくりの促進について」でございます。 質問の背景といたしましては、安曇野市は、南北の幹線道路に比べ、東西の幹線道路が不足しています。市の発展のためには、市内全域のバランスのとれた道路網の整備が必要です。市の幹線道路や、道路の整備計画はどうなっているでしょうか。 また、長野県は、松本糸魚川連絡道路の建設に向けた市民説明会を開催していますが、安曇野市の視点からは、周辺整備と利便性の向上のために、東西線の整備も関連づけて検討していただきたいと思います。市からも要請していただきたいと思います。環状交差点等も含め、安全で利便性の高いまちづくりを促進していただきたいと思います。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にてさせていただきます。 まず1つ目は、大きな質問です。 東西線や環状交差点等の道路建設で、安全で利便性の高いまちづくりの促進を要望しますが、目標と取り組みはいかがでしょうか。 それでは、市長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) まず、市内の東西幹線道路の状況、そして今後の計画についてでございますが、平成27年度に策定をしました安曇野市道路整備推進計画の中で市民アンケート調査を実施をしておりまして、東西方向路線の円滑化を求める声が出されております。 東西の幹線軸の位置づけとしては、市内では北部、これは明科方面から山麓線の穂高観光地を結ぶルートが1つ、そして市内の中部、これは国道147号の新田北交差点から国営アルプスあづみの公園を結ぶルート、また、市内の南部においては、国道147号の拾ケ堰橋北交差点から山麓線を結ぶルート、この3路線の整備が必要とされております。幹線道路の整備につきましては、短期・中長期計画に分けて事業推進を図っている状況にございます。 次に、ラウンドアバウトの促進についてでございますが、ラウンドアバウトは、その構造や交通方法から、車両の流入時の速度が抑制されて、大きな衝突事故にもなりにくい。また、信号機に頼らないことで、待ち時間がないことや電力も必要でないことから、災害に強い交差点となっております。 市内においては、唯一のラウンドアバウト、本村円(まどか)が平成27年4月の開通から4年が経過をいたしております。1日約3,500台を超える流入交通量があるということでございますが、現在まで重大な事故もないというように報告を受けております。これは、車のスピードが抑制されるというメリットが最大限に生かされた成果だというように感じております。 また、現在、豊科南穂高に市内2カ所目のラウンドアバウトの設置を計画しておりまして、この効果を期待しているところでございます。 道路は、市民の暮らしの向上や、観光を含め、産業の発展を支えるまちづくりなどに必要不可欠な施設であります。今後とも、安全性の確保や利便性、快適性の向上、また、災害対応能力の強化等に資する道路整備を進めてまいる所存でございます。 以上です。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 次に、2つ目の質問です。 国道147号の拾ケ堰橋北交差点から西への先線の建設推進を要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、国道147号の拾ケ堰橋北交差点から西への先線の建設は、遅々として進まない状態です。市民からは、一体どうなっているのかという質問をいただきます。長野県にとっては、松本糸魚川連絡道路の建設が優先事項だと思いますので、その後に回されているのだろうと推測いたします。また、JR大糸線と交差しなければならないということも困難さを抱えていると思います。その上、安曇野市が南西方向の堀金の三田工業団地方面に延長することを希望しているのに対し、県は、経済効果の点から、北西方向の堀金穂高の国営アルプスあづみの公園方面に延長することを希望していると聞いております。これに関しては評価が分かれると思いますが、早期建設のために検討の余地はあると思います。 いずれにしましても、膠着状態を早く脱するように、市からの働きかけを強めなければ進展しないと思います。もっと積極的な取り組みを期待いたします。 それでは、都市建設部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。 ◎都市建設部長(西沢剛) それでは、議員の質問にお答えいたします。 県では、平成30年3月に当該路線を、「しあわせ信州創造プラン2.0」の中で調査の実施などを検討する道路に位置づけております。 県と事業化に向けて調整する中で、おおむね西に向かうルート案について、平成26年度に道路概略設計、平成27年度から28年度にかけて交通量推計を実施していただいたものであります。これらの調査・検討により、おおむね西に向かうルート案につきましては、国道147号の渋滞解消などに寄与することが難しいという説明を受けたところでございます。県からは、「市と相談しながら、事業化に向け、路線の位置づけや整備効果などについて検討したい」ということで伺っております。 市としましても、平成27年4月に策定しました「安曇野市道路整備推進計画」において、この路線は市内を東西に連結し、市外に展開する主要な広域幹線道路として位置づけているものでございます。事業効果や道路の必要性など、課題を整理し、事業化に向け県へ要望してまいります。 以上であります。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 県への要望を続けてお願いいたします。 次に、3つ目の質問です。 豊科の防災広場北交差点の北の環状交差点を含む道路改良の促進を要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、現在、豊科の防災広場北交差点の北の道路、市道豊科1級24号線で道路改良工事が行われています。道路に通学路の歩道を設置するための工事で、道路の東側に歩道設置の後には西側も改良されます。そして、その北側には、ラウンドアバウトとも言われる環状交差点が建設される予定です。令和4年ごろでしょうか。 安曇野市では、本村と中堀の境にある本村円(まどか)という環状交差点に次いで2つ目になります。本村円(まどか)の利用者アンケートではおおむね好評で、安全性や円滑性が向上したものと判断されています。 なお、通学路の歩道の設置は、児童生徒のためですが、農業者のために農作業にも配慮した道路にしていただきたいと思います。 なお、環状交差点の西側の道路も改良され、歩道が整備される予定です。そのほか、将来は、環状交差点の東側の道路も改良されることを希望いたします。 また、建設される環状交差点の南方には、防災広場がありますので、周辺地域のためだけではなく、豊科と穂高を結び、防災にも役立つ道路になっていただきたいものです。 それでは、都市建設部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。 ◎都市建設部長(西沢剛) それでは、議員の御質問にお答えします。 まず、現状でございますが、防災広場北交差点から北へ向かって県民豊科運動広場を結ぶ市道の交通量が、1日2,000台以上であり、朝夕の通勤利用者が多い路線となっております。 それとともに、防災広場北交差点から北へ向かう市道豊科1級24号線につきましては、豊科北小学校と北中学校の通学路に指定されているため、通学する児童生徒と自動車が混在して危険な状態であり、地区PTAや地元区からも歩道整備が要望されていた経過がございます。 「安曇野市道路整備推進計画」において、豊科地域と穂高地域の間を円滑につなぐ地域交流幹線ルートとしても位置づけられております。ルート沿い周辺には、県民豊科運動広場、防災広場、豊科北小学校・北中学校、安曇野赤十字病院など、多数の災害時の拠点施設や避難所などが点在することから、防災面でも重要なルートとなっております。 このような中で、防災広場北交差点から県民豊科運動広場までの約1.1キロを全体の道路整備計画区間とし、道路幅員3.0メートルの2車線と、歩道幅員2.5メートルを片側に整備する全幅約10メートルの計画となっております。 第1期事業として、防災広場北交差点から北へ約700メートルの直線区間を整備区間とし、本年度から一部工事に着手いたしました整備区間周辺では、全て圃場整備がされた優良農地でありますので、耕作者の皆様にも御意見を伺い、工事を進めているところであります。 また、先ほど市長答弁にもありましたが、市内2カ所目のラウンドアバウトは、第1期整備区間内北の十字路に計画しており、令和4年度までの完成を目指しております。さらに、県民豊科運動広場へ向かう計画区間とあわせてラウンドアバウト計画交差点から東へ向かう市道につきましても整備を検討しているところでございます。 いずれにしましても、通学児童生徒の安全な通行を確保するとともに、安全・安心で円滑に車両が通行できるよう、早期効果発現に向けて事業を進めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) 環状交差点の建設の大まかな時期はいつごろになりますでしょうか。 ○議長(召田義人) 西沢都市建設部長。 ◎都市建設部長(西沢剛) 先ほど申しましたが、令和4年度の完成を目指しているところでございます。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) ありがとうございました。確認させていただきました。 それでは、2件目の質問事項につきましては以上でございますが、東西線や環状交差点等の道路建設で、安全で利便性の高いまちづくりの促進が図られるよう、今後とも、ともに頑張ってまいりたいと思います。 次に、3件目の質問事項は、「安曇野市文書館等での公文書管理と関連事業の充実について」でございます。 質問の背景といたしましては、安曇野市文書館は、平成30年、2018年10月1日に開館しました。そして、本年、令和元年、2019年11月14日・15日に自治体の公文書館関係者でつくる全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、全資料協の第45回全国大会が安曇野市で開催されました。私も講演を聞き、学びました。 昨今は、国や県レベルで文書及び公文書管理のずさんさが際立っていますが、安曇野市では文書及び公文書管理は大丈夫でしょうか。なお、安曇野市文書館には、学芸員はいますが、文書管理の専門員はいません。また、ボランティアの古文書の会の方々に助けられています。今後は人材育成にも力を注いでいただければと思います。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にてさせていただきます。 まず1つ目は、大きな質問です。 安曇野市公文書館等での公文書管理と関連事業の充実を要望しますが、目標と取り組みはいかがでしょうか。 それでは、市長と教育長と総務部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 宮澤市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 公文書管理につきましては、平成22年に施行されました公文書管理法において、「国民共有の知的資源として、適切な保存及び利用等を図ることで、国民に説明する責務が全うされる」と規定をされておりますとともに、地方公共団体にも文書の管理に関して必要な施策を策定し、実践に努めなければならない努力義務が規定をされているところであります。 市におきましては、合併前の公文書の整理・保管・保存及び廃棄について、各部局で同一歩調がとれるように、また、合併後の文書の管理・保存ルールを構築するために、庁内に「公文書等保存管理検討プロジェクト」を設け、合併前の旧町村から引き継いだ公文書も含む大量の公文書の整理を図るために、公文書の適正な整理及び保存方法、さらには文書量自体の削減について検討を進めてきたところであります。 そして、文書管理のあり方として、組織での文書保存への転換、ファイルで保存するシステムの導入による適切な文書管理と文書量の削減、また、貴重な歴史的資料の保存といった文書管理体制を構築してきたところであります。 平成27年の新本庁舎開庁にあわせまして、全部署へ導入したファイリングシステムは5年目を迎え、組織での文書管理やシステムを活用した保管ルールも徹底されておりますし、適切な文書管理により、文書検索にかかる時間も短縮をしております。 さらに、歴史的文書につきましては、昨年の10月に開館をした文書館において保存・公開をしておりまして、歴史的資料として、また、市民共通の貴重な財産として適切な管理を行っているところでございます。 私のほうからは以上です。 ○議長(召田義人) 橋渡教育長。     (教育長 橋渡勝也 登壇) ◎教育長(橋渡勝也) 林議員にお答えいたします。 まず、保存期間を経過した公文書につきましては、文書館条例施行規則第3条に規定された移管基準をもとに評価・選別し、文書館への移管を進めております。その結果、昨年10月1日の文書館開館時、歴史的公文書が5,583点、地域文書が1万3,791点でしたけれども、ことし10月1日現在では、歴史的公文書が1万2,091点、地域文書が2万4,045点となり、御利用していただける資料点数は、この1年間で約1.9倍とふえております。 先ほど歴史的公文書、5万5,083点でございますので訂正させていただきます。 これは、文書館関係職員及び協力者の地道な努力によるものと考えております。 今後も総務部や担当課と連携しながら公文書の移管作業を進めてまいりたいと考えております。また、同時に、貴重な地域文書の所有者に対して寄贈・寄託等の意思確認をし、地域文書の一層の充実も図っていく予定でございます。 そして、所蔵資料を活用した展示や講座・講演会・広報等の発行を通じて市民の皆様に気軽に御利用・御活用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。 ◎総務部長(金井恒人) それでは、私から、現用文書の管理の現状について説明させていただきます。 管理についての状況でございますが、平成27年のシステム導入以降、文書責任者などを対象にしました研修会を実施しまして、文書管理の一連の流れの確認を行っております。 公文書は、事務所に置きました専用の文書キャビネットに保存しております。また、その管理方法につきましても、バインダー簿冊保存からファイルフォルダーへ変更しまして、公文書の個人管理を廃止する中で組織的な文書管理ができております。また、過去の文書等の確認も容易になっているということでございます。 それから、保存年度が経過した文書につきましては、保存箱に入れまして、書庫あるいは収納庫で保存期限ごとに整理して保管しております。そして、保存期限を迎えた公文書につきましては、管理所管課でリストを作成し、文化課と、廃棄文書、それから歴史的資料として保存する文書かの確認を行いまして、仕分けの中で知的財産が失われないよう公文書の管理を徹底しているところでございます。 以上です。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 公文書の管理を今後ともよろしくお願いいたします。 次に、2つ目の質問です。 先人たちの顕彰、自治体史編纂、博物館・図書館・公民館・学校施設との連携の促進を要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、先人たちの顕彰は、コンパクト展示やホームページなどで行われていること、自治体史編纂は安曇野市史の編纂が行われること、博物館・図書館・公民館・学校施設との連携は、コンパクト展示などが行われていることを認識しておりますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 それでは、教育長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 最初に、先ほどの答弁で点数を申し上げましたけれども、再度正確に申し上げさせていただきます。お願いいたします。 文書館開館時、歴史的公文書は5,583点であったものが、ことし10月1日現在では1万2,091点になったと、こういうことでございます。また、地域文書は1万3,791点が2万4,045点となったということで、約1.9倍になっているということでございます。よろしくお願いいたします。 それでは、答弁させていただきます。 市では、データベース『安曇野市ゆかりの先人たち』をインターネットで公開するとともに、文化施設や学校・公民館等で各種講座や展覧会を開催し、安曇野の礎を築き、未来をリードした方々の顕彰を積極的に行っております。 また、文書館では、重要文書に関することだけでなく、人物顕彰や市史編纂を視野に入れた資料収集・資料整理を行ってきております。 本年度は、市内の小・中学校で保管していた学校日誌・学校教育計画・会議録などの学校資料も文書館への移管を進めてきたところですけれども、この取り組みは、10月開催の文書館運営審議会や、11月の全国歴史資料保存利用機関連絡協議会安曇野大会において、「全国的に見ても先進的な取り組みである」との高い評価をいただきました。来年度は、市史編纂事業の実施に向けて、専門家や有識者と連携しながら、編纂計画の策定や、具体的な準備に入りたいと考えております。 また、平成28年度から実施しておりますコンパクト展示のメニューに、今年度文書館で開催いたしました企画展『松沢求策と国会開設運動』や、『改元に見る市民生活展』も加え、図書館・公民館・学校へ出前展示するなど、連携の促進も図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 来年度からの安曇野市史の編纂、期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、3つ目の質問です。 井口喜源治記念館設立50周年に当たり、私塾「研成義塾」の創設者・井口喜源治の顕彰の促進を要望しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、井口喜源治(1870年~1938年)は、現在の安曇野市穂高出身で、人格教育の先覚者として、キリスト教の精神に基づき、明治31年、1898年に私塾「研成義塾」を創設し、清貧に甘んじ、独力で34年間にわたり多くの弟子・入学者704名を輩出した教育者です。研成義塾の目的は、よき人になることでした。荻原碌山・清沢 洌・東條たかし・斉藤 茂・アメリカシアトルへの移民者72名も研成義塾出身者でした。 井口喜源治を記念し、遺品などを保存展示している井口喜源治記念館は、井口喜源治の教え子たちが主になって、井口の没後30年たった昭和44年、1969年に設立されました。本年、令和元年、2019年は、設立50周年に当たります。 それでは、教育部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。     (教育部長 西村康正 登壇) ◎教育部長(西村康正) それでは、お答えさせていただきます。 研成義塾の創設者であります井口喜源治先生は、安曇野や信州の教育文化に多大な影響を与え、多くの人材の輩出につながったところでございます。一般財団法人井口喜源治記念館では、井口先生の業績の紹介や顕彰に取り組んでこられ、市では毎年記念館運営に当たって運営補助金を交付しております。 本年度の設立50周年に当たっては、記念事業を行うために、補助金を増額して交付いたしました。本年度の記念事業といたしまして、穂高交流学習センターみらいの交流ギャラリーにおいて、教育委員会と記念館が共同で井口先生の業績を顕彰する展示を行ったところでございます。講演会等の記念行事とあわせて有意義な取り組みができたと考えております。 また、施設の活性化を目的に、ほかの美術館や博物館と連携事業実行委員会を組織しておりますが、井口喜源治記念館にも参画いただき、ギャラリートークリレーなどの事業で連携を図っております。 また、毎年本市では、新たに教壇に立つ教師の初任者研修会を行っておりますが、来年度の研修では、安曇野教育の源流と、今日までつながる教育理念について学ぶ研修の機会として、井口喜源治記念館の見学を計画しております。 以上でございます。
    ○議長(召田義人) 林議員。 ◆4番(林孝彦) お答えをいただきました。 今後も井口喜源治さんの顕彰、そして井口喜源治記念館への支援をよろしくお願いいたします。 それでは、3件目の質問事項につきましては以上でございますが、安曇野市文書館等での公文書管理と関連事業の充実が図られるよう、今後とも、ともに頑張ってまいりたいと思います。 それでは、以上で一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(召田義人) ここで暫時休憩いたします。 再開時間は午後3時10分からといたします。                              (午後2時45分)--------------------------------------- ○議長(召田義人) 休憩前に引き続き一般質問を行います。                              (午後3時10分)--------------------------------------- △遠藤武文 ○議長(召田義人) 続いて、3番、遠藤武文議員。持ち時間は30分以内といたします。 遠藤議員。     (3番 遠藤武文 登壇) ◆3番(遠藤武文) 3番、遠藤武文です。 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」が、本年6月23日に公布され、同日施行しました。 この法は、地方公共団体が、視覚障害者等の読書環境を整備するために取り組むべき施策を規定しています。第9条に図書館の整備、第10条に特定電子書籍のインターネット送信の支援、第11条に特定書籍の制作支援。国内の書籍点数は1,000万を超えるのに、点字図書や録音図書などの特定書籍はわずかに30万しかありません。法の施行で、視覚障害者たちの本の飢餓が解消されることが期待されています。 第2次安曇野市図書館基本計画では、基本方針の一つに、図書館の利用に障がいがある方々の障がいの除去を掲げています。 教育部長に伺います。 中央図書館において視覚障がい者サービスが実施されています。 まず、利用状況についてお伺いします。登録者数と利用者数の推移を御教授ください。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。     (教育部長 西村康正 登壇) ◎教育部長(西村康正) では、公共図書館における障がい者サービスの利用状況についてお答えさせていただきます。 公共図書館では、安曇野市図書館視覚障害者サービス実施要綱に基づき、視覚に障がいをお持ちの方へのサービスを行っております。 現在、図書館に登録いただいている視覚障がい者の方は20名で、うち利用のある方は13名となっております。利用者数の推移でございますが、中央図書館が開館いたしました平成21年度時点は2名の方に御利用いただいておりましたが、25年度には6名、28年度には10名となり、徐々にではありますが御利用はふえております。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 2名から徐々にふえて、現在20名が登録されているということで、まだまだちょっと需要がありそうな気がします。 そこで、重ねてお伺いします。 視覚障害者サービス実施要綱には、郵送等による貸し出しとあります。「等」について伺います。郵送以外の方法、例えば、職員が自宅に届けるということもあるのでしょうか。その際、職員と本の会話ができれば、利用者の楽しみが広がると思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 視覚障がい者の方へのサービスといたしましては、郵送での貸し出しサービスを行っております。 こちらは、郵便局の第四種郵便物として点字郵便物・特定録音物等郵便物として無料で利用者へお送りしており、職員が直接利用者へ配達するサービスは行っておりません。 また、利用者の代理人・ボランティアや家族の方が図書館へ直接来館され、貸し出すこともございます。図書館に直接来館できない方の場合は、貸し出しの依頼の多くは電話で受けておりますが、その際、希望のジャンルをお聞きしたり、お勧めの本を御紹介し、コミュニケーションをとりながら行っております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 利用者がコミュニケーションをとる機会もあるということなので、ただ、ほかにもっとニーズがあるような気もしますので、今後どのような方法があるのか、何か検討していただきたいと思います。 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」、通称、読書バリアフリー法と言っていますので、以後そのように言わせてもらいます。文部科学大臣と厚生労働大臣に基本計画を策定するように義務づけています。その基本計画は3月に公表される予定です。地方公共団体には、基本計画を勘案してそれぞれの計画を定める努力義務が課されました。計画策定を見越して、来年度の予算額を検討している自治体もあるようです。 本市の意向について伺います。 来年度、読書バリアフリー計画の策定に着手するのでしょうか。また、それに伴う予算の増額を予定していますでしょうか。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 読書バリアフリー法は、ことし6月28日に公布・施行され、障がいの有無にかかわらず、全ての国民が読書を通じて、文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的として、視覚障害者に限らず発達障害者や肢体不自由など、さまざまな障がいの種類や程度に応じた配慮がなされるよううたわれております。 国が定める基本計画で具体化されたものを勘案し、地方公共団体でも計画を定める努力目標とされており、現在、国では基本計画策定に向け協議が進められており、来年2月ごろにパブリックコメント、というスケジュールが示されております。 本市につきましては、市の基本計画策定後、その内容を十分踏まえた上で、安曇野市図書館協議会などの御意見をお聞きしながら、計画策定の必要性も含めて検討させていただきたいと思います。 このような段階でございますので、来年度予算において、国の基本計画策定を見越した事業や予算化は考えておりません。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 本市においては、結構立派な図書館が5つありますので、基本計画のほうを進めていっていただきたいと思います。 読書バリアフリー法第5条は、地方公共団体には視覚障害者等の読書環境の整備を進める施策を実施する責務があるとしています。17条では、点字図書や拡大図書、あるいはDAISY図書や音声読み上げ対応の電子書籍を制作する人材及びこれら特殊書籍のサービスをできる人材の育成・資質向上・確保に必要な施策の実施を規定しています。 現在、特殊書籍の数は圧倒的に少ないので量の充実が急務になります。本市においても、点訳やDAISY編集ができる人材の質的・量的な充実が必要になるでしょう。どのような施策を考えているのか御教授願います。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 最初に、市立公共図書館での点訳及びDAISY録音図書の作成の状況について説明をさせていただきます。 点訳につきましては製作は行っておりません。市内の点訳ボランティア団体から点字図書の寄贈を受けるなどして、現在163点の所蔵がございますが、貸し出し要望は少なくなり、平成29年度~30年度の2年間は、相互貸借を含め利用がない状態でございます。 DAISY録音図書の製作につきましては、朗読協力者の有償ボランティアを毎年募り、市広報を中心に郷土資料などの音訳を行っております。現在15名の朗読協力者に御登録いただいており、月1回の定例の研修会と年1回外部講師による研修会を実施し、音訳・校正・編集ができるよう、人材育成に努めております。 今後の課題といたしましては、DAISY録音図書の製作が図書館の朗読協力者頼みという現状がございます。DAISY録音図書の裾野を広げるためにも、DAISY録音図書を製作できる個人・ボランティア団体をふやす取り組みを考えてまいりたいと思います。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 今後は、ボランティアの数をもっとふやしていかなければいけなくなるのではないかと思います。 たまたま、先ほど市民の方から情報提供をいただいたんですが、信毎のコラム欄に出ていた書籍を、中央図書館に行ったところ、既にもう貸し出しされていたと。そういった人気のある書籍こそ、点訳するなり、そういったボランティアが必要になっていると思います。 兵庫県明石市の政策局政策室本のまち担当の職員に話を聞きました。 同市は、SDGsの理念に基づき、誰一人取り残さない、いつまでも全ての人にやさしいまちづくりを進めています。本のまちづくりとやさしいまちづくりを一体的に推進しており、来年9月議会への上程を目指して、読書バリアフリー条例案の検討に入りました。条例案は、「ナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アス」を土台にして検討していくということです。「私のことを私たち抜きに決めるな」。これは障害者の権利に関する条約が策定される中で、全ての障がい者の共通の思いをあらわすものとして使用された言葉です。「私たちは保護が必要な無力な存在なんかじゃない。人生を自分で選択し、自分で決定できるんだ」、障がい者たちの切実な声です。 明石市は、障がいは障がい者個人にあるのではなく、社会にあるという社会モデルの考えを反映したまちづくりに取り組んでいます。図書館には、障がい者の当事者目線が必要だという認識に立ち、各館に1人以上の障がい者を配置しています。 本市においても当事者目線、「ナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アス」に応えるために、各館に1人以上の障がい者を配置すべきと考えます。見解を伺います。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 現在、図書館職員の中に、視覚に障がいを持った職員はおりません。また、現在のところ配置の予定はございません。 ただし、障がいのある方の当事者目線につきましては、今後、御利用いただいている障がい者の方や関係団体へアンケートをお願いしたり御要望をお聞きする中で、障がいのある方の御意見など、図書館運営に生かされる仕組みづくりを考えてまいりたいと思います。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 本市においても、障がい者の職員の雇用についてはもちろん行っているわけでありますから、そういった方たちの中に、別に視覚障がい者ではなくても図書館業務に興味のある方がいらっしゃったら、積極的な配置とかできればと思います。 書籍とは離れますが、市民に市政情報を伝える広報においてもバリアフリーは必要です。 広報の点字版、DAISY版の取り組みについて伺います。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 広報誌の点訳については、先ほど申し上げましたとおり行ってはおりません。 朗読協力者の皆さんが製作した広報あづみののDAISY録音図書は製作に時間がかかるため、広報発行から約1週間から10日程度後に、利用希望者登録のある視覚障がい者の方へ発送しております。 また、DAISY録音図書をベースに、秘書広報課では、市ホームページから広報朗読版を提供しており、誰でもパソコンから簡単にダウンロードして聞いていただくことができるようになっております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) よくわかりました。 議会としても議会だよりを発行している以上、点字版や音声版については検討していかなければいけないと思います。 さて、2017年度、本市の公共図書館の1人当たり貸し出した数は8.0でした。全国トップクラスの富士見町の15.7、原村の15.8には及ばないものの、19市の中では塩尻市の9.7に次ぐ高い数値です。他市のほとんどが四、五冊なので、本市の利用状況は悪くないと言ってよいでしょう。18年度は三郷図書館の開館で、さらに数値が上昇しているものと思われます。 しかし、この数字の裏に置き去りにされている人たちがいないでしょうか。現に利用している人たちの便宜だけではなく、利用できない事情のある人たちのニーズをつかんでいるでしょうか。 読書バリアフリー法に定める障がい者等のみならず、乳児から高齢者までの誰もが本に親しむことができる環境が整備されているでしょうか。交通手段がなかったり、入院中だったり、高齢で足が不自由だったり、さまざまな理由で図書館に行けない人がいます。それらの人たちのために、宅配サービスの実施は考えられないでしょうか。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 障がいをお持ちの方だけではなく、図書館へお越しいただくことが困難な方へのサービスとして、宅配や郵送サービスの提供ができないかとの御質問でございますが、まず入院中の方につきましては、団体貸し出しといたしまして、現在、安曇野赤十字病院と県立こども病院への配本サービスを行っております。院内ボランティアの協力を得て、入院患者のもとへ貸し出しができるようになっております。それぞれの病院の窓口を通じてリクエストをお聞きし、御要望の本を御用意しております。 ただ、高齢者や障がい者の方への個別の宅配・郵送のサービスは、現在のところ考えてはおりません。 以上でございます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 団体貸し出しを行っているということなんですが、団体貸し出しについては、10人以上の団体でなければ団体利用登録ができないということで、1人で御自宅にということであればちょっとできないわけです。 旧豊科町とか旧三郷村には移動図書館がありました。明石市は2台の移動図書館がありまして、2台に3,500冊を積んで、保育所や病院・老人ホームなど市内77カ所を巡回しているそうです。こども食堂では、絵本の読み聞かせも行っているそうです。 それで、本市の移動図書館の利用について、ちょっと意向を伺わせていただければと思います。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 移動図書館事業につきましては、以前は豊科地域や三郷地域におきまして、図書を車に積み、各地区を回って貸し出しを行っておりましたが、平成20年度末に廃止といたしました。 理由といたしましては、利用が年々少なくなってきていたこと、また、合併以降、新しい図書館の建設により、各地域1カ所の図書館が整備されたことや蔵書の充実が図られてきたことが挙げられます。 一方で、移動図書館に変わるサービスとして、議員言われました団体に向けた配本サービスを進めてまいりました。この配本サービスにより、現在、市内の公共施設や福祉施設・学校など45カ所に本を届けております。また、配本を希望する個人が10人以上集まり登録していただければ、代表者への一括配本を行っております。この場合、10人に満たない場合であっても、事情を考慮した対応もできますので、このサービスの普及を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) ありがとうございます。 多数派に合わせていれば社会は成り立っていくんですが、しかし、それでは少数派は置き去られてしまいますので、今実施しているサービスについても弾力的に運用していっていただきたいと思います。 読書経験を積むことは生きる力を養うことになるそうです。 AIを導入する企業がふえ、シンギュラリティの不安が現実味を帯びてきました。しかし、AIは統計的に最も正しいと思われる解を出すだけなので、文脈から思考できる人間の頭脳を追い越していくことはないと言われています。AIの時代になっても、読解力さえあればAIにできないことができるので、職にあぶれることはないのです。 ところが、昨今は中・高生の読解力が低下しており、教科書も読めない子供が25%もいると報告されています。先週、経済協力開発機構は、2018年に実施した学習到達度調査の結果を公表しました。日本の高校1年生の読解力は前回の8位から15位に低下、点数も12点低くなり上位層と差が広がっています。今後、あらゆる職種でAIへの代替が進みます。読解力を高めることを怠った人は職につけなくなるそうです。 平成30年度、小・中学校の1校当たりの図書費予算の全国平均は、小学校で42万2,989円、中学校で57万9,784円でした。同年度本市は、小学校で83万1,300円、中学校で88万1,143円で全国平均を大幅に上回っています。本年度は小学校が81万1,900円、中学校が86万7,429円で少し減っているものの県下19市の中では突出しています。これは、教育に寄与する役割を学校図書館に大きく期待しているからだと思われます。 学校図書館は、児童生徒一人一人の読書活動を支えるだけではなく、生涯にわたって図書館を利用できる力を養う場でもあります。なので、資料の収集や分類に加えて、児童生徒のレファレンスに対応できる専任の職員が必要です。 本市の学校司書の配置状況について伺うとともに、学校司書が「からだを動かし、頭で考え、心に感ずるたくましい安曇野の子」を育むことに果たす役割について、教育長に伺います。 ○議長(召田義人) 橋渡教育長。     (教育長 橋渡勝也 登壇) ◎教育長(橋渡勝也) 遠藤議員にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、小・中学校での読書の意義は極めて大きく、図書館の果たす役割も重要であると認識しています。市内の小学校では、各学級で週1時間の図書館の時間があり、図書袋を携えて図書館に向かう姿が日常的にあります。その図書館運営を担う市費による学校司書は、現在市内の全ての小中学校に1名ずつ計17名配置しております。 学校司書の業務は、図書館の蔵書管理に加え、新刊図書の案内や先生方による本の紹介など、子供たちが本と出会い、本を好きになるための取り組みを初め、調べ学習の支援、読み聞かせ、図書委員会への指導、さらに児童の個別相談等にもかかわっております。また、授業に使う参考図書の手配、必要に応じて、公立図書館等から図書の団体貸し出し手続などの支援も行っています。 これらの業務を遂行するために、研修に積極的に参加してスキルアップに努めております。このように、学校司書が担っている役割は、ますます重要になってきていると考えております。 子供たちがみずから求め、自分の生き方につなげていけるよう、引き続き図書の質・量の充実、図書室の環境整備に努めるとともに、司書教諭と連携して図書館教育の充実を図ることにより、体・頭・心の成長が促され、たくましい安曇野の子供につながるものと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 10年後、今の小学生・中学生が就職活動するとき、人間に残された職業がどれだけあるのでしょうか。10年たったら消えていく職業というのがいろいろ言われています。地方議会においても、最大多数の最大幸福を追求するようプログラミングされたAIに委ねられていて、議員がいらなくなっているかもしれません。AIの時代を生き抜く最大の武器は読解力だとされています。ですから、今後、学校司書、学校図書館の役割はますます重要になってきますので、よろしくお願いしたいと思います。 認定こども園や幼稚園では、子供の言語力・理解力を養うのに絵本が活用されていることと思います。国立青少年教育振興機構が、絵本に関する高度な知識や感性を備えた専門家、絵本専門士の養成を始めています。30こまの講義や演習を受講し、修了課題に合格しなければなりません。資格の取得は簡単ではありませんが、保育士には受講資格があります。絵本を通じて子供の言語力や感性・読解力や理解力を飛躍的に発達させるため、保育士に絵本専門士の資格を取得してもらってはいかがでしょうか。 自然保育を担う認定こども園や保育所は県下各地にあります。絵本専門士を置くことで差別化を図ることができ、市外・県外の若い夫婦の関心を呼ぶのではないでしょうか。福祉部長お願いします。 ○議長(召田義人) 野本福祉部長。     (福祉部長 野本岳洋 登壇) ◎福祉部長(野本岳洋) それでは、遠藤議員にお答えをいたします。 保育士の絵本専門士の資格取得についてでございますが、幼児期の教育保育について記されている幼稚園教育要領や保育所保育指針でも、この時期に育つべき姿から、絵本等を通して発達を促すことが示されております。 幼稚園教諭及び保育士は、日々、専門的に子供たちの発達をわきまえ、絵本だけに限らず、紙芝居・パネルシアター等の視聴覚教材を用いて子供たちの成長を促しております。また、市では、絵本作家や絵本編集者を講師にお招きしての研修会を定期的に行っているところであります。 これらのことから、安曇野市の幼稚園教諭・保育士の絵本に対する質は保たれていると認識をしており、また、この資格を取得するには、議員御指摘のとおり、30単位の講義と修了課題での合格が条件であり、これには東京で講義を受ける必要があることから、現時点において、保育士の絵本資格士資格取得については考えてはおりませんが、今後、本市中央図書館の絵本専門士に研修をしていただいたり、自己研さんの一環で取り組めるよう、資格の内容を幼稚園教諭や保育士に紹介してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 時間的な制約とか、東京へ行かなければいけないという物理的な問題で、取得が難しいという事情がよくわかりました。 全国1,741の市町村のうち1,398の自治体が、子どもの読書活動推進計画を策定しています。策定率は80.3%、市制を敷いているところに限ると92.4%に達しています。いまだ計画を策定していない自治体は少なくなっています。早急に計画策定していただきたいと思います。策定過程で、学校司書や絵本専門士等についても協議していただければと思います。 本市の図書費の決算額は、平成27年度4,794万9,000円でしたが、以後は4,000万円を下回っています。平成28年度3,769万5,000円、平成29年度3,961万4,000円、平成30年度3,956万6,000円、本年度予算は、堀金図書館の資料収集が終了したこともあり、2,412万円とついに3,000万円を切り、この10年間で最も低い予算が組まれました。 一方、明石市は、本の事業はお金が余ったら実施する隅っこの事業ではなく、まちづくりの中心に据える事業だとして、本の予算を大幅に増額してきました。本年度は、平成23年度と比較すると1億円増になっています。子育てをする若い夫婦はお金が厳しいので、本への支出を後回しにします。幼児書に出会う機会が減った子供たちは豊かな想像力を育むことができず、将来のことや友達とのつき合い方といった生きていくために必要なことを、十分に考える力が養われ難くなります。 なので、行政が本を買うべきだとして明石市は予算をふやしてきました。本の年間貸し出し数300万冊を目標に掲げ、本によるまちづくりを推進した結果、出生数が4年連続で上昇し続けています。1年間に3,000人の赤ちゃんが生まれることを目標に掲げていて、昨年度は2,819人、目標達成が見えてきています。5年間で市税は21億円増加しました。人口増加で個人市民税が9億円の増、人口増加につれて地価が上昇し、固定資産税が10億円の増、都市計画税は2億円の増、財源確保で施策が充実し、交流人口は7割増しになっています。 明石市の取り組みは人口減少時代・少子化の時代に見つかっています。本によるまちづくりをどのように評価するのか、市長に伺います。 ○議長(召田義人) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 明石市は人口30万人、そして中核都市だというように伺っておりますが、中学生までの医療費や第二子以降の保育料を完全無料化にして、離婚前後の子供の養育支援やこども食堂の全小学校区域内の設置、また児童相談所の設置など、充実した子育て支援を展開しているというように伺っております。 明石市のように、市独自の特色ある施策を展開するということは、交流人口や定住人口の増加につながる一つの方策であり、大変参考になる提案だとは捉えております。 友好都市であります埼玉県の三郷市においても『日本一の読書のまち』を宣言して、特に、家庭や学校での読書を推進するなど、さまざまな施策を展開しておりまして、近年人口が増加をしているというようにお聞きいたしております。さらに、三郷町においても童謡のまちづくりでまちおこしを進めるということで、過日、宣言がなされたところでございます。 定住人口や交流人口をふやしていくためには、こうしたそれぞれの自治体の独自性を生かした特色あるまちづくりは、大変有効であるというようには考えております。これらのことから市におきましても、自然を生かした信州型自然保育の推進、あるいは空き家の利活用、また新産業団地の建設、テレワーク事業や安曇野ハーフマラソン大会、そして農家民宿の推進など、いろいろな施策を通じて安曇野市の特色を生かした事業を展開しながら、安曇野ファン・交流人口・関係人口をふやしていきたいというように考えておりまして、住みやすいまちづくり、そして、再び、三度と訪れてみたくなるようなまちづくりに取り組んでまいりたいというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 近ごろは、電車に乗っても本を読んでいる人が誰もいないという状況で、本はオワコンだと言われるようになってしまっていますが、それでも、まだまだ本は人を引き寄せる力があると思いますので、今後まちづくりの中で、図書館のあり方とかを考えていっていただきたいと思います。 次の質問にいきます。 ソ連がアフガニスタンに侵攻したのは、ちょうど40年前のクリスマスイブでした。反政府ゲリラの蜂起、ソ連撤退後の北部同盟とタリバンの内戦、9.11テロとそれに続く報復。アフガニスタンはずっと戦火に見舞われてきました。中村 哲氏の事件は胸ふさがれる思いです。しかし、イスラム教徒の全てがテロリストではありません。偏見を持たないようにしたいと思います。 世界の総人口76億3,000万人のうち、18億3,500万人がイスラム教徒です。4人に1人がムスリムなのです。アメリカ合衆国のシンクタンク、「ピュー・リサーチ・センター」は、今後イスラム教徒は73%の増加率でふえていくと予測しています。インバウンドを考えるとき、ムスリムの存在は無視できません。 クルアーン第2章雌牛の章168節に、「人々よ、地上にあるもののうち合法的でよいものを食べなさい」とあり、172節に、「信仰する人たちよ、我らがあなた方に与えたよいものを食べなさい」とあります。そして、173節に、「彼があなた方に禁じたものは、死肉、血、豚肉、そしてアッラー以外の名で屠られたもの」と書かれているので、ムスリムは豚肉を口にしません。 マレーシアは、イスラム教を国教にしています。10月28日に、日本酒の輸出事業に関係する事業者を招き、30日まで滞在していただいたと伺いました。食事の不都合はありませんでしたか。農林部長に伺います。 ○議長(召田義人) 高嶋農林部長。     (農林部長 高嶋雅俊 登壇) ◎農林部長(高嶋雅俊) 10月28日~30日まで市を訪れた輸入関連事業者についてお答えをいたします。 地方創生推進交付金を活用しまして、農産物のワサビ・リンゴ・日本酒の海外プロモーションを行ってきましたけれども、この事業の一環で、マレーシアの輸入関係事業者を安曇野市に招聘したものです。 今回お招きしたのは、昨年度、日本酒輸出の取り組みがきっかけでつながりのできた関係者の皆様ですけれども、今回は日本酒のほかにもワサビ・信州サーモン・有機栽培トマト・お米など、農産物を実際に見ていただき、その食材の魅力をPRすることで輸出につなげようとする狙いです。 議員は、ムスリムへの対応を心配されておりましたけれども、今回来訪した方々は中国系マレーシア人であったため、食に関しての宗教上の制約はなく、滞在中も不都合は生じませんでした。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) マレーシアには日本酒を輸出しているわけですけれども、クルアーン第5章食卓の章90節に、「酒は悪魔がもたらしたものなので遠ざけろ」とあります。さらに91節に、「悪魔は酒を使って人々の敵意と憎悪をあおり、アッラーを礼拝することを邪魔する」と書かれているので、一般にイスラム教徒は飲酒しません。 マレー系の国民の多いマレーシア国民に、日本酒を売ることはできるんでしょうか。 ○議長(召田義人) 高嶋農林部長。 ◎農林部長(高嶋雅俊) マレーシアには大勢のムスリムの方々が生活しており、また、ムスリムの方が宗教上の理由で酒を飲めないことは承知をしております。 そもそも今回のマレーシアへの日本酒輸出に関しましては、マレーシアの飲食業者からの要望がきっかけで取り組みが始まっているため、文化的・宗教的な面で制限や支障になっていることは今のところありません。今回、輸出に向けた商談を行っている相手も中国系マレーシア人というふうに伺っておりまして、日本酒の販路先としても、基本的には中国系の人々をターゲットにしているということでございます。 今回の訪問では日本酒以外の農産物を見ていただき、輸出に向けた本格的な商談はこれから進めていくわけですけれども、マレーシアとの友好な関係を築いていくため、ムスリムに関する最低限の情報・知識はおさえておく必要があると考えますので、事業者ともども注意してまいりたいと考えます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 日本酒はあくまできっかけということで、今後は農作物等に広げていきたいという御説明、よく理解しました。 実は、クルアーンには酒を肯定する記述もあります。第16章蜜蜂の章67節には、「ナツメヤシやブドウの実からつくられた強い酒には、思慮ある民に示された印がある」とありますし、イスラム教が酒を禁忌とするようになったのは、二日酔いで礼拝にあらわれる者がいたり、酔ってけんかをする者がいたからだということです。徐々に新たな啓示が追加され、酒が禁止されたもの、ハラームになっていたことです。第47章ムハマンドの章15節には、「天国には快い美酒の川が流れている」とあります。第37章整列者の章45節から47節には、「天国では真白な美酒を与えられ、それは悪酔いしない」とあります。 どうしてハラームである酒が天国にあるのか、悪いものが天国にあるはずありませんから、本来、クルアーンは酒が悪いのではなく、正体なくすまで酔っぱらうことが悪いと言っているのだと思います。実際、クルアーンには酒をさらに神聖視する記述が散見されます。これらのことから、酒に飲まれたり、礼拝に影響するほど酔ったりすることなく、たしなむくらいなら飲酒は許されると解することもできます。 それで、実際、宗派や国によって考え方が異なっていて、酒に厳格的に臨むムスリムもいれば、寛容に扱うムスリムもいます。アルコールを提供する飲食店に立ち入らないという人もいれば、立ち入っても自分が飲まなければ平気だという人もいます。重要なことは、ここで食事をすることができるのかどうか、合法的なものハラールなのか、非合法なものハラールなのか、ムスリムが判断できるようにわかりやすく表示することです。それをせずに多文化共生はあり得ません。 昨年訪日したムスリムは130万人に上ります。日本食への関心は高く、寿司・焼き鳥・ラーメン・牛肉等を食べたいと思ってやってきます。滞在期間中、1人当たり少なくとも3,000円~3,500円を食事に支出するはずで、そうすると、430億円の経済効果があったことになります。 しかし、焼き鳥のコンロで豚肉を焼いているなら焼き鳥は食べられません。ラーメンを食べたくても豚骨しょうゆかもしれませんし、みそやしょうゆでもチャーシューを調理している店ならコンタミがあります。結局怖くて店に入れず、自国から持ってきたカップ麺で済ませてしまうムスリムが少なくないといいます。せっかく日本に来ていただいたのに、おもてなしができていないのです。430億円のインバウンド消費をみすみす見逃すことにもなっています。 昨今、ビジネスチャンスを逃していることに気づいた飲食店がハラール認証を取得するようになりました。東南アジアと中国だけでも2億6,000万人のムスリムが暮らしており、インバウンドを考えるとムスリムへの対応は無視できません。 本市では、商工会が6月にハラールの勉強会を開いています。これを契機にムスリム対応が進むのでしょうか。商工観光部長お願いします。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。     (商工観光部長 鎌﨑孝善 登壇) ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) それでは、お答えいたします。 ムスリムのインバウンド誘致に関する質問であります。 最初に、議員御指摘のハラール勉強会、つまり、イスラム法において食べることが許される食材や調理方等に関する勉強会であります。本年6月に、市商工会の観光特産飲食部会が主催し開催されました。講師に、調理技術技能センター、ハラール研修有識者会議の委員で、市内ホテルで和食料理長を務める正木裕治さんを講師にお願いし、今後、来訪増加が見込まれるムスリムの食文化とともに、生活スタイルを知るための勉強会であったと伺っております。 ムスリムの文化圏の市におけるインバウンド施策の位置づけでありますが、主に、平地観光分野において、台湾・香港に次ぐ誘客先として、ムスリムが多い東南アジアのシンガポール・インドネシアなどを位置づけております。今後、個人旅行化が進む中で、ムスリムのインバウンド誘致に当たっては、ハラールへの対応を含め、誘客方法等を検討していく必要があると考えております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) ムスリムを観光誘致するには、ハラール認証取得が絶対条件になります。ハラール認証取得には、小規模の飲食店の場合でも、認証団体の相談料・監査料・契約料などで十数万円が必要になります。メニューや店舗看板・ウエブサイトの多言語化にも費用がかかります。専用の調理器具を用意しなければならない場合はさらに費用が発生します。 これらハラール認証に取り組もうとする店舗のために、助成金か補助金を支出する事業に取り組み、ハラール認証を促進すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。 ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) 事業者の皆様に直接支援できる制度につきましては、設備投資を行う際の制度資金の借り入れに対する利子補給、経営支援に関する相談業務、ムスリムの戒律に沿う調理設備などを更新し、生産性が向上する計画を策定した際の償却資産の減免措置などが考えられます。 制度の利用につきましては、さまざまな条件を満たす必要がございますので、利用をお考えの方は、市商工労政課の窓口まで御相談いただきたいと思います。 また、集客アップを図るための投資に活用できる持続化交付金事業があります。これは国の補助制度で、経費の3分の2以内で上限50万円までを補助するものであります。市商工会が相談窓口となりますので、相談いただければと思います。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 現状でも利用できる補助金等があるということで、よくわかりました。 ムスリムへのおもてなしには、より多くの飲食店従業員や一般市民にハラールを知ってもらうことが何より重要になります。市民向けの研修を市が組むことで、ハラールの必要性を市民に周知することができます。より専門的な研修を組み、これを修了した市民がアドバイスできるようになれば、万全のおもてなしができる市になると思います。 ハラールに詳しい人材の育成は行政が取り組むべき事業だと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。 ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) 先ほど御紹介いたしましたハラール勉強会の講師を行っていただいた正木氏は、全国で8人しかいないハラール研修有識者会議の委員のお一人であります。各地で講師等を務めていると伺っております。 市内にこのような人材がいることは大変心強いことですが、受け入れ態勢充実を進めていくには、宿泊施設や飲食店の皆さんの主体的な活動が不可欠であると考えております。こうした民間の取り組みが拡大するよう、市商工会・観光協会など関係機関と協力連携しながら、観光庁の支援メニューの活用・相談など、支援を行っていきたいと考えております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 商工会とか飲食店等とも相談しながら進めていっていただきたいと思います。 さて、在日のムスリムは15万6,000人と推定されています。また、5万4,000人の日本人がイスラム教を信仰しているので、我が国には21万人のムスリムが暮らしています。郷に入れば郷に従えというわけにはいきません。イスラム法では棄教したムスリムは死刑になります。それだけ重罪だと考えられているので、日本に来たからといって改宗はできません。在日のムスリムは、日本にいてもハラールを意識し続けなければなりません。 学校給食でハラールが問題になったことはないでしょうか、教育部長お願いします。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) 現在まで、本市の小・中学校にムスリムの児童生徒が在籍したことはございません。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 今後、対応を求められたとき、どんな対策を考えているでしょうか。 ○議長(召田義人) 西村教育部長。 ◎教育部長(西村康正) ムスリムの方は、宗教上、食べてよいものハラール、食べてはいけないものハラームがございます。そのことから、給食の提供に当たっては留意する必要がございます。 近隣自治体に確認をしたところ、ムスリムの児童生徒の保護者へ、事前に使用材料のわかる献立表を確認していただき、食べられる給食だけ提供しているとのことでございました。イスラム教徒の方に限らず、宗教上の理由等によりまして食事に制限がある場合は、保護者と相談する中で、献立表を事前に渡すなどの可能な対応はしてまいりたいと考えます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) そのような状況になったときの対応を考えていらっしゃるということで安心しました。 食べ物の制限がある人はムスリムに限りません。ヒンドゥー教は、動物を殺すことを禁じられているので、インド人の大多数が菜食主義者です。中には、卵も乳製品も口にしないヴィーガンもいます。インド人が多い江戸川区のセブンイレブンで、ヴィーガンマークを張ったパスタが販売されるようになりました。 アブラハムの宗教で最も古いユダヤ教にも、食べてよいものとだめなものがあります。ヤハウェは、不浄な動物も洪水から救うようにノアに言ったので、現代も食べられない動物が生きているのです。豚に加えて馬・貝やイカなど、うろこのない魚介類は食べられません。 インバウンドで重要なことは、これら禁忌とされているものを出さないことではありません。何が入っているのかわかりやすくメニューに表示することです。日本食を食べたいと思っても、何が入っているのかわからなければ、食べてよいのかどうか判断できず、結局手をつけられないのです。 食のバリアフリーに必要なことは、食材に何が使われているのか一目でわかるように表示することです。食事を楽しんでもらえる機会をふやすことがおもてなしです。多言語表示やピクトグラム表示がメニューに必要になるでしょう。市の動向を伺います。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。 ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) 現在、市商工会では、地方創生推進交付金を使いながら、穂高駅前の飲食店・土産物店などをモデルに、インバウンド需要取り込みに向けて多言語表示といった課題の検証や、英語版飲食店・土産物店マップを作成しております。 このマップでは、Wi-Fiの設置場所や英会話ができるスタッフがいる店舗であるなど、ピクトグラムと言われる絵文字で表記をしております。 今後、マップの改定にあわせ、食べ物に関するピクトグラムの掲載などについても、飲食店の皆様や市商工会等関係機関が中心となって検討をしていくこととしております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) ピクトグラムや多言語表示について考えられていらっしゃるということですが、今後、インド人やアメリカ人の来訪者もふえていくことと思われるんですが、そのほかに検討していることがあれば御教授お願いします。 ○議長(召田義人) 鎌﨑商工観光部長。 ◎商工観光部長(鎌﨑孝善) 本市のヒンドゥー教徒が多いインド国籍やユダヤ教徒が多いアメリカ国籍の延べ宿泊者数は、平成30年度では全体の1%であり、台湾・香港・東南アジア各国に比べて少ない状況であります。 さまざまな食文化に対応するには、食材の調達やメニューの開発・設備投資など多くの課題があります。6月のハラールに関する勉強会においても、厳密なハラール認証の取得よりも、ムスリムの戒律を理解し、ポークフリー・アルコールフリーのメニューを提供するムスリムフレンドリーの取り組みが可能な店から進めていくこととしております。そのほかの食文化についても、同様な取り組みをまず進めていくことが重要であると考えております。 今後、飲食店の取り組みが進んでいく中で、提供可能な店舗など必要な情報を、訪日外国人向けに発信していくことが重要になってきますので、フードバリアフリーに関する情報発信等について、宿泊事業者・飲食店・商工会・観光協会など関係機関と連携し、研究してまいりたいと考えております。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 食文化の理解がなければ多文化共生はあり得ませんので、今後も何がだめなのか、何が許されるのかということを、みんなで取り組んでいっていただきいと思います。 イタリアの話ですが、トリノ市がベジタリアン・シティ構想を推進しています。当初、地元紙は狂気の沙汰と報じたそうです。食肉業界が猛反発して、バーベキュー大会を開催して抗議したということです。 ところが、この構想は環境保護が目的で、家畜の育成で生じる二酸化炭素の削減を目指して始められたということなんですけれども、ところが、前年比3倍のヴィーガンが移住し、有名レストランのメニューからイノシシ肉のソースやキアニーナ牛のステーキなどが消え去って、ベジタリアンに対応したレストランは予約困難なほど高い人気を集めています。 本市がフードバリアフリーに本気で取り組めば、食に困る外国人観光客が本市を滞在都市として選択すると思います。在日の人たちを呼び込むこともできます。インバウンド消費の増加だけでなく、移住・定住人口、交流人口の増加につながると考えます。市長の見解を伺います。 ○議長(召田義人) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 近年、安曇野市におきましても、外国人旅行者が増加してきております。こういった旅行者に的を絞った特色ある取り組みというものも、交流人口の拡大には効果があるものと感じているところであります。 必要なことは、ほかにない安曇野市独自の魅力をどのように磨き上げていくのか、また、安曇野をブランドとして国内外に情報発信をしていく、安曇野の存在を広めることにあるというように思っております。 いかに安曇野ファンをふやしていくかということでございますが、安曇野市は、県が公表をしております毎月人口異動調査によりますと、転入と転出の対比による社会動態では、増加が続いている状況にございます。この追い風を逆転させることなく、先ほども申し上げてまいりましたけれども各種事業を展開しながら、交流人口・関係人口の創出につなげていきたいというように考えております。 また、市内には優良な企業がたくさんありますが、企業名や事業内容を知らない若者も多いというように感じております。市内企業をPRする中で、雇用の促進、定住人口の増加につなげていく必要があるというように考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 安曇野ファンをふやすというお言葉がありました。 安曇野ファンをふやすための方策というものにはいろんなことがあると思いますので、いろんな可能性を検討していっていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 地域防災計画第12節第3の3避難所の確保実施計画は、市が実施する計画、(チ)に、「指定管理施設が指定避難所となっている場合には、指定管理者との間で事前に避難所運営に関する役割分担等を定めるよう努めるものとする」とあります。 現在、三郷小倉多目的研修集会施設が指定避難所になっています。指定管理者は、避難所運営会議への出席を要請されると見込まれるところ、事前に市職員との役割分担を定めておくことは、できればしておくようなことではなく、必ずしなければならないことだと思うのですが、努力義務になっているということは、事情があればしなくてもいいという理解でよろしいのでしょうか。総務部長お願いします。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。     (総務部長 金井恒人 登壇) ◎総務部長(金井恒人) お答えいたします。 御指摘いただきました市の地域防災計画への掲載でございますけれども、総務省の通知、「大規模地震に係る災害発生時における避難所運営を想定した指定管理者制度の運営について」を受け、対応をしておるものでございます。 内容としましては、議員御指摘のとおり、指定管理者の管理する施設における避難所等運営の役割分担やその際の費用負担のあり方について、あらかじめ、市と指定管理者の間で定める協定書に明記することが望ましいということでございます。 したがいまして、必須ではないという認識をしているところでございますけれども、先ほど例示がございました小倉多目的研修集会施設は、指定管理者基本協定書の中で、緊急事態における施設使用等といたしまして明記をしているところでございます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) 個別に協定を結んでいるということで理解しました。 災害発生時は、公の施設に行けば有益な情報が得られる、助けてもらえる、何とかなると考えて、指定避難所ではない指定管理施設に逃げ込む人も一定数いるだろうと予想されます。 胆振東部地震の例、千歳市防災交流センターに、避難所ではないのに多数の市民が押し寄せたそうです。堀金デイサービスセンターなどに開設される福祉避難所は二次的避難所で、当初から開設されるものではありませんが、発災直後に逃げ込む人はいないと断言できるでしょうか。 緊急避難所と指定避難所が法で明確に規定される前の防災マップには、穂高地域福祉センター・三郷福祉センター・明科総合福祉センターは避難施設として掲げられていたことから、一般の人が逃げ込んでしまうことが予想されます。また、古い防災マップには、現在避難所から外されている豊科郷土博物館や三郷社会就労センターが避難施設として示されています。防災マップにない施設であっても、公の施設であればインフラが整っていると考えて駆け込む人もいるでしょう。 これらの施設に逃げればよいと誤解して逃げてきた人たちに、指定管理者がどのような対応をとればよいのか、事前に取り決めをしておかなくてよいのでしょうか。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。 ◎総務部長(金井恒人) ただいま議員御指摘の避難者が避難所指定のない避難所、例えば、福祉避難所でありますとか、25年の災害対策基本法の改正前に避難所としていた施設、こういったところに避難された場合の対応ということでございます。 もし、開庁時でありましたら職員がおりますので、最寄りの避難所を案内することになります。もし、閉まった状態の場合には、施設に入れないということでございますので、案内する職員もおりません。避難者自身で情報を収集していただきまして、最寄りの指定緊急避難場所等への避難をしていただくことになると思います。 ただ、そうしたことがないよう市といたしましては、災害時の避難行動が混乱しないためにも、防災マップに記載された内容につきましては、市民の皆様に知っていただくよう努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) そうですね。市民のほうでも、みずから、どこが避難所になっているか知る努力はしていかないと、もちろんそれは必要なことだと思います。 ただ、そうはいっても、常に防災マップを見ているわけではないので、あそこは避難所と信じ込んでいる人も少なからずいると思うんです。そういうことは、避難所になっているかどうかにかかわらず、公の施設には市民が駆け込む可能性があると考えます。 なので、指定管理者とはあらかじめ、そういった事態になったときにどういう対応をすべきかということは、協定を結んでおくべきではないかと考えるんですが、いかがでしょうか。 ○議長(召田義人) 金井総務部長。
    ◎総務部長(金井恒人) 指定管理者が管理する施設で避難所対応ができないか、そういう協定状況がどうかということでございます。 市では、先ほどの総務省通知を受けまして、平成29年6月と本年1月の2回、指定管理施設を所管する課に対しまして、避難所等運営の役割分担やその際の費用負担のあり方について、協定書に明記されていない場合には明記するなど、必要な措置を行うよう指示・照会したところでございます。 現在、避難所の指定の有無にかかわらず、全ての指定管理施設管理者との間で、災害時の役割と費用負担のあり方を協議いたしまして、協定書に明記するよう取り組みを進めているところでございます。 実際、平成30年11月現在では、14の施設が費用負担について明記されていない状況でございましたが、現在、令和2年度に譲渡を予定している施設、1施設を除きまして、残りの施設全て、指定管理者との協定書に記載することができる見込みとなっておりますので、報告させていただきます。 ○議長(召田義人) 遠藤議員。 ◆3番(遠藤武文) もちろんそういった事態にならないことが一番なんですが、万が一、そうなった場合にも、市民がそれで逃げおくれるということがないように、今のうちから備えておくべきことだと思います。 もちろん、災害はないのが一番ですが、市民にしても自主防災組織・防災訓練に参加するという、そういった市民みずからの努力自体も必要になっていくと思います。そうでないと、もし何かあったときに自分の身を守ることができないと思いますから、そういったことも含めて周知をしていただければと思います。 以上で終わります。--------------------------------------- △散会の宣告 ○議長(召田義人) 以上で本日の日程は全て終了いたしました。 あす12月11日は一般質問並びに議案質疑、委員会付託を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 大変ご苦労さまでございました。                              (午後4時10分)...